先日公開した、田中宇(たなか さかい)からの配信メール、韓国海軍の哨戒艇「天安」の沈没事件のその後が配信されてきました。以下に転載します。
・・・韓国海軍哨戒艇(コルベット)「天安」の沈没事件、その後・・・
5月20日、韓国海軍の哨戒艦(コルベット)「天安」が3月に沈没した事ついて、韓国と米英豪スウェーデンで構成する「軍民合同調査団」が調査告書を発表した。調査団は、5月15日に沈没現場の近くで漁船が引き上げされる魚雷の残骸を公開し、北朝鮮が発行したとされる魚雷のパンフレットや設計図と、魚雷の残骸が「酷似している」ことから、天安艦は北朝鮮の小型潜水艇が発射したその魚雷によって撃沈されたとの結論を発表した。
http://news.bbc.co.uk/nol/shared/bsp/hi/pdfs/20_05_10jigreport.pdf
Investigation Result on the Sinking of ROKS "Cheonan"
この発表を受け、日米韓などのマスコミは「これで北朝鮮の犯行が確定した」と報じた。日本では、ほぼ同じタイミングで鳩山首相が普天間基地の沖縄県外移転をあきらめたので、米国などでは「朝鮮半島が戦争になりそうなので、鳩山は、沖縄の米軍基地の県外移転は無理だとの判断に転じたようだ」という分析が出ている。
北朝鮮政府の国防委員会は5月28日、平壌で記者会見を開き「北朝鮮は天安艦を攻撃していない。米韓の調査報告は作り話だ」と発表した。北の国防委員会は金正日が委員長で、北朝鮮で最も強い権力を持つ。この委員会が記者会見をするのは珍しい。記者会見は、平壌に駐在する各国の報道機関と外交官が待され、全編が国営テレビで実況中継された。5月30日には、平壌で10万人の市民を動員した韓国非難の集会が開かれた。
http://wire.antiwar.com/2010/05/28/nkorea-accuses-south-of-faking-warship-sinking/
North Korea Accuses South of Faking Warship Sinking
他の国々の政府が、自国に対する疑いをこれだけ強く否定すれば、世界のマコミに「韓国の方が捏造しているのかも」という論調が出るだろう。だが、朝鮮は札付きの風変わりな独裁国家なので、日米では「また北は、おかしなり方でウソをついている」という報道が主流だ。「金正日は、息子の金正雲に後継したいので、北の国内を結束させようと、天安艦を撃沈した」といった解説」も流布している。
http://www.ft.com/cms/s/0/06684638-6752-11df-a932-00144feab49a.html
Theories why Pyongyang sunk S Korean ship
とはいえ、韓米英豪の調査報告に対して疑問を呈しているのは北朝鮮だけではない。ロシアの外務省は5月27日に「北朝鮮が天安艦を撃沈したのだと100%考えられる証拠が出てこない限り、この件で国連が北朝鮮を制裁することにロシアは賛成できない」と発表した。ロシアはその前日、ソウルに専門家団を派遣し、韓国政府や在韓米軍に接触する独自調査を開始した。ロシアは、米英韓の調査報告に納得していない。
http://news.yahoo.com/s/afp/20100527/wl_afp/skoreankoreamilitaryrussia
Russia wants '100% proof' N.Korea sunk ship
▼調査結果に疑問を呈する中露
5月29日、韓国で日中韓の定例首脳会議が開かれ、出席した中国の温家宝首相は、韓国の李明博大統領から、天安艦問題で北朝鮮の肩を持たず、韓国に味方してほしいと要請された。これに対して温家宝は「天安艦を沈没させたものが誰であれ、中国はその犯人を擁護しない」「朝鮮半島の平和と安定を破壊する者は許さない」と述べた。マスコミはこの発言を「温家宝は北朝鮮を擁護しないと言った」という意味に受け取り「温家宝は、まさに李明博が望んでいたコメントをした」と報じられている。
http://www.ft.com/cms/s/0/65c162f0-6a30-11df-b268-00144feab49a.html
China will not protect `whoever sank S Korean ship'
しかし同時に中国側は、温家宝の訪韓直前に中国で開かれていた「米中戦略対話」の席上、米国に対し「国際社会を納得させるためには、韓米英豪の側だけで天安艦沈没の調査報告をするのではなく、北朝鮮の代表団も入れて、南北合同の調査団を結成するのが良い」と提案したと報じられている。この件について何の続報もないので、おそらく米韓の側は、中国の提案を受け入れなかったのだろう。
http://www.businessweek.com/news/2010-05-29/north-korea-warns-un-to-be-wary-of-false-evidence-of-sinking.html
North Korea Warns UN to Be Wary of False Evidence of Sinking
こうした提案をすること自体、少なくとも中国政府は、国際社会が韓米英豪の調査報告に対して納得し切っていないと考えていることがうかがえる。温家宝の「中国は犯人が誰であっても擁護しない」「朝鮮半島の平和と安定を破壊する者は許さない」という言い方は、犯人が北朝鮮でなく、たとえば米韓の軍艦が合同軍事演習中に間違って同士討ちしてしまったのが真相だとしても、十分に成り立つ発言だ。米韓の同士討ちが真相の場合「朝鮮半島の平和と安定を破壊する者」は、北の犯行だとウソを言って濡れ衣をかけて北を激怒させた米韓の方になる。
http://onlinejournal.com/artman/publish/article_5930.shtml
Beijing suspects false flag attack on South Korean corvette
北朝鮮側は5月28日の記者会見で「北朝鮮にとって、韓国や米英豪は朝鮮戦争以来の敵国だ。朝鮮戦争は停戦しただけであり、敵国である状況は変わっていない。敵国だけで集まって、北朝鮮が魚雷を撃って天安艦を撃沈したとする調査報告を発表しても、それは客観的に見て、公正であると考えられない」「韓国が公正な調査をしたいなら、北朝鮮は専門家の代表団を派遣するので、南北合同で調査をやり直すべきだ」という趣旨を述べている。
http://english.cri.cn/6966/2010/05/28/2021s572984.htm
DPRK Holds 1st Press Briefing on "Cheonan" Incident
http://blog.taragana.com/politics/2010/05/28/we-didnt-sink-south-korean-warship-north-korea-39643/
We didn't sink South Korean warship: North Korea
北朝鮮は、5月20日に韓米英豪が「北朝鮮犯人説」に基づく調査報告を発表した直後に「専門家の代表団を派遣するので、証拠の品々を見せ、検証させてくれ」と申し入れた。だが韓国政府は「殺人犯が刑事になるようなもので、許すわけにはいかない。こんな申し出をしてくる北に対し、強い怒りを感じる」と強く拒否した。
韓米英豪の調査結果が正しいものであるなら、韓国が北朝鮮の代表団を受け入れ、米英中露が監督する中で再調査をやれば「北の魚雷の残骸」という強力な物的証拠の正しさが改めて示せるはずだった。北朝鮮は反論しきれず、調査結果は世界の誰にも反論できない強いものにできたはずだ。調査報告を世界が納得できる強いものにすることは、たとえ「殺人犯に刑事をさせる」ことだとしても、遺族や韓国世論は納得するだろう。しかし韓国政府は、殺人犯に墓穴を掘らせることができたはずの、この良い機会を自ら拒否してしまった。
http://upload.democraticunderground.com/discuss/duboard.php?az=view_all&;address=389x8387694
What if North Korea didn't fire the torpedo?
▼米英豪だから正しいと思うのは危険
ここまでの話をまとめると「北朝鮮が天安艦を撃沈させた」と米英豪韓が言い切ったのに対し、中露が疑問を発し、北朝鮮は強く否定した。「誰の発言か」だけに注目すると、日本のような冷戦型の対米従属の国是に固執する国の当局やマスコミ(学界、評論家など)は「米英豪韓が正しいに決まっている」という論調になり「中露朝の肩を持つのは、非国民(左翼)か敵のスパイか隠れ朝鮮人だけだ」という話になる。
米英が今後もずっとダントツに強い覇権国であり続けるなら、このような「無条件降伏」を経た後に「鬼畜米英」を単にひっくり返したような日本人のあり方で良い。むしろ難しく考えない方が、覇権国に対する直裁的かつ自滅的な反逆を繰り返す可能性がなくなるので得策かもしれない。
だがもし、米国が北朝鮮に対してやっていることが濡れ衣戦略だとしたら、イランに核武装の濡れ衣をかけて潰そうとしているうちに、国連(NPT)でイランではなくイスラエルの核武装の方が問題にされているように、覇権を振り回しすぎて(意図的に)自滅する米国の隠れ多極主義につき合いすぎることは、日本にとって危険なことになる。愛国的な日本人は、こっそりで良いから、本当に韓米英豪の調査報告が万全かどうか、いちど疑ってみた方が良い。
http://www.haaretz.com/print-edition/news/analysis-u-s-sacrificed-israel-for-success-of-npt-conference-1.292931
U.S. sacrificed Israel for success of NPT conference
そのような観点で、韓米英豪などが5月20日に発表した調査報告を見ると(困ったことに)かなり粗悪なものであることがわかる。まず形式的なことから書くと、あの調査報告書は「名無しのごんべ」である。誰の署名も入っていないし、そもそも各国の調査団のメンバーすら発表されていない。
米英豪というアングロサクソンは、強力な公文書を作るとき、筆者の署名をつける。閣僚、軍司令官、議員、貴族(英国)などが、自分の名前の権威を賭けてその文書の正しさを主張すべく署名する(イニシャル署名だと権威が落ちる)。もし調査を行った韓米英豪などの人々の名前がずらりと署名されていたら、報告書の権威は高まった。だが実際には、署名がないだけでなく、調査団の名簿も発表されていない。無署名の報告書は、米英が「信憑性を疑ってください」と言っているようなものだ。
http://willyloman.wordpress.com/2010/05/24/the-sinking-of-the-cheonan-we-are-being-lied-to/
The Sinking of the Cheonan: We Are Being Lied To
(ここで、韓国が米英とは違う文化だということを重視するのは間違いだ。朝鮮戦争をめぐる国際政治の枠組みでは、韓国は米英より格下の「傀儡級」である。北は1953年の停戦会議に出席したが、韓国は出ていない。だから北朝鮮は、韓国よりずっと貧しいくせに意気揚々と韓国を「傀儡」と罵倒する)
▼魚雷残骸の意味づけの確定不能性
調査報告書が「北の犯行」と断定する、ほとんど唯一最大の根拠は、天安艦の沈没現場の近くの海底から引き上げられたとされる魚雷の残骸(スクリュー、シャフト、モーター)である。公開された魚雷の残骸は、調査報告書によると、北朝鮮が輸出用に開発した魚雷「CHT-02D」のパンフレットや設計図と酷似している。これが「北犯行説」の唯一最大の根拠である(報告書は、それ以外の根拠を示していない)。
だが調査団は、この断定の根拠となったパンフレットや設計図を公開していない。北朝鮮はいくつかの国にこの魚雷を売り込み、その中には米国や韓国とも親しい国があり、そのルートでパンフレットや設計図が調査団に漏洩したという推測が報じられ、漏洩した国を北が特定する恐れがあるため、パンフレットや設計図を公表できないのだろうとされている。しかし、公表されないので、人々は「酷似している」かどうか確認できず、納得したくてもできない。
韓国当局が公開したのが、本当に北朝鮮の魚雷の残骸であるとしても、それが5月15日に天安艦の沈没現場の近くから引き上げられたものだという確証も発表されていない。北朝鮮が主張する「魚雷の残骸は、米韓がどこか別の場で拾ってきてでっち上げた」という説を一蹴できない状況になっている。
北朝鮮や中露が提示する疑問に米韓の調査団が丁寧に答えていくなら、調査果の信頼性が上がるが、今のところそのような展開になっていない。逆に、査団に参加するスウェーデン人や韓国人の一部が、調査の結論に対して疑問を呈したが米英に無視されたとか、辞任に追い込まれたといった話が指摘されいる。
http://www.atimes.com/atimes/Korea/LE26Dg01.html
South Korea in the line of friendly fire
このほか、魚雷の残骸に書かれていた「1番」というハングルの書き込みをめぐる疑問(「北朝鮮では1番と言わない」「いやいや言うよ」という論争。以前に韓国軍が入手した北の魚雷には「1号」と書き込まれていた)とか、カ月しか海底に置かれていなかった割には、魚雷の残骸の腐食が激しすぎるといった疑問(天安艦の船体も1カ月でかなり腐食したから矛盾はないと当局が反論)などがある。
報告書では、魚雷を発射したのは新型探知機を備えた小型潜水艇とされているが、北朝鮮の潜水艦は割と大きなサンオ級でさえ最新探知機を備えておらず、潜水艇が新型探知機を使いつつ魚雷を発射したとは考えにくいとの指摘もある。
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/nation/2010/05/205_66234.html
Questions raised about 'smoking gun'
韓国当局が発表した、天安艦が写っているペンニョン島の監視所から撮った熱線画像データ(TOD)は、沈没前後の決定的瞬間が抜け落ち、非公開のままになっていることや、当時、沈没現場の海域では米韓軍事演習が行われ、最の探知機を備えた13隻の米韓の軍艦や潜水艦がいたのに、なぜ誰も北の潜水艦の接近に気づかなかったのか疑問が解けないままになっているとか、私が前の記事に書いた、KBSテレビが報じた「第3のブイ」の問題などが、韓国で指摘されている。
http://tanakanews.com/100507korea.htm
韓国軍艦「天安」沈没の深層
事件の生存者(天安艦の乗組員)が韓国当局の監視下に置かれ、自由な発言許されていないことも、人々の懐疑心を煽っている。疑う者が「非国民」なではなく、韓米当局の方が、人々に疑いを抱かせるような、まずいやり方をしている。
http://www.dmzhawaii.org/?p=7166
South Korean religious leaders question conclusions of the Cheonan sinking investigation
▼韓国政府を濡れ衣発表に誘導した米国
全体として「北朝鮮の潜水艦が撃沈犯なのだが、その証拠をうまく米韓側が示せていない」という可能性もないわけではない。だが、天安艦の沈没当時、米韓軍事演習が行われ、米韓軍が北の潜水艦の潜入を察知できなかったとは考えにくいことや、米韓がこの件でまだ隠し事を続けている感じがぬぐえないことから考えて、やはり天安艦の沈没は、米韓の誤射による同士討ちの可能性が高いと私には思える。(米海兵隊の潜水部隊が、北との戦争を煽るため、意図的に天安艦に爆弾をセットしたとの説も出てきたが、信憑性は不明だ)
http://onlinejournal.com/artman/publish/article_5930.shtml
Beijing suspects false flag attack on South Korean corvette
5月20日の合同調査団が北朝鮮犯人説を発表して以来、韓国と北朝鮮の対立が激化し、開戦一歩手前の状況になった観がある。しかしよく見ると、たとえば北朝鮮が韓国勢を追い出したとされる開城の工業団地では、追い出されたのは韓国政府の事務所の要員だけだ。開城で事業を展開している韓国企業の幹部や技術者はその後も毎日38度線を超えて開城に通勤しているし、開城市内からも北朝鮮の4万人の従業員が毎日通勤し、工場を稼働させている。「南北経済交流の象徴だった開城の工業団地はもう終わりだ」というイメージが喧伝されているが、実際には、開城の韓国企業はほとんど通常どおり操業している。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/05/26/AR2010052600975_pf.html
In Korea, a Semi-Hopeful Sign
天安艦が米韓同士討ちで沈没したと考える場合、その後の展開を主導していのは韓国政府ではなく米国(米軍)である。韓国政府は、事件後の1カ月あまり対応を迷っていた。天安艦沈没の濡れ衣を着せたら北朝鮮は激怒して戦争になりかねず、韓国にとって危険すぎる賭けだ。しかし韓国政府は、同士討ちを発表することもできなかった。
同士討ちの韓国側の当事者である天安艦は大々的に報じられているが、米国側(第3のブイ?)の存在は未確定だ。米韓軍事同盟は、米国の方が上位だ。韓国政府が同士討ちを発表したら、米国は怒り、米韓同盟は解体する。韓国政府は、北朝鮮に濡れ衣を着せるか、事件の原因を発表しないままでおくしか選択肢がなかった。だが、これだけ大騒ぎになり、韓国の右派が活気づいてしまうと、韓国政府が原因を特定しないわけにはいかなかった。韓国政府は、6月2日の地方選挙というタイムリミットの2週間前に、北朝鮮に濡れ衣を着せる発表をした。米国は、韓国政府が自ら北に濡れ衣を着せる発表をするのを待っていた。
米軍の艦船が沈み、米兵に死者が出たことを、米政府が隠しておけるはずがないと考える人が米国にもいるが、米軍の情報管理力は、日韓政府よりずっと強い(逆に日韓の政府は、情報管理力を意図的に弱いままにしておくことで、自国を対米従属から出られないように自ら縛っている)。
米国の潜水艦や特殊部隊は、世界各地で秘密作戦を展開しており、死者を出す事態が時々起きるはずだが、それらの一部でも報道されたら、作戦対象(敵)に勘づかれ、作戦そのものが失敗する。潜水艦が沈んだり、特殊部隊員がたくさん死んでも、米軍はマスコミも巻き込み、それが報じられない態勢を作っていると考えるのが自然だ(そんなことないよと言って笑う米国の研究者が、実は米軍の諜報機能の一部だったりする)。
▼イラン問題と似てきた
米軍や米政府は、全体として情報管理能力が高いくせに、今回の天安艦事件の調査報告書のような、ずさんなことをやる。この手の奇妙な稚拙さは、イラク戦争やアフガン戦争、911事件の捜査、グアンタナモ収容所、イラン核問題などで、連続的に発揮されている(最近では共和党のカール・ローブが「オバマのカトリーナになる」と分析したメキシコ湾のBPの原油流出事件が、これに加わりつつある)。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704717004575268752362770856.html
Rove: Yes, the Gulf Spill is Obama's Katrina
諜報や外交の部分的な失敗はどこの国でもあるが、911以来の米国の大失敗の連続は、米国の覇権を根幹から崩壊させており、私には単なる過失と考えられない。この失敗の結果、世界の覇権構造が多極化している。そのため、米国の中枢には自国を意図的に失敗させて世界を多極化したい勢力(隠れ多極主義者。ネオコンなど)がいると、私は推察してきた。
隠れ多極主義者の常套策は、米国の覇権を恒久的に維持したい軍産複合体やイスラエルに近づき「テロ戦争」に代表される冷戦型の「米国中心の同盟体と、敵国との恒久的な対立状態」を作り出す戦略を手がけ、それを稚拙かつ過剰にやって失敗させ、逆に米国の敵国や非米的な諸大国(BRIC)を強化し、世界を多極化させることだ。
北朝鮮犯人説が濡れ衣であるとすると、今回の天安艦事件は、この隠れ多極主義の作戦の枠組みに当てはまる。イランの核兵器開発と同様、米英と同盟国(イラン問題ではイスラエル、天安艦問題では日韓)の方が実は間違っているのだが、英米が動かしている世界のマスコミは、北朝鮮やイランが極悪だと喧伝する。しかしそのうちに、実は米英の方が間違っているということを、途上諸国や新興諸国の人々が気づき、欧米の世論も揺らぐ。国連など国際社会では、米英の方が間違っているという見方が強まり、その線に沿って中露が仲裁をかけようとするが、米国は拒否する。人類の善悪観を操作して覇権を維持する、大英帝国以来の戦略が崩壊していく。
その時点で、米国の同盟国は、とことん米国に追随して、善悪が逆転する新世界秩序の中で悪者になることに甘んじるか、米国から同盟関係を切られることを覚悟で、非米側に方向転換するしかない(日本はこれ以外に「政治鎖国する」「いないふりをする」という手があるので危機感が薄い)。
先行する中東問題では、すでに英国の政界が米国との同盟関係の持続に疑問を持っている。イスラエルは、米国との同盟を切ったらイスラム諸国から攻撃を仕掛けられ国家崩壊に瀕するので、窮している。米英に楯突いたのに優勢なイランは、長らく米英から抑圧されてきた中東イスラム諸国の人々に喝采されている。
▼隠れ多極主義に引っぱり出される金正日
中東では善悪が逆転しつつあるが、東アジアで現体制の北朝鮮が他の国々から賞賛されることはない。日韓も米国に支配されているが、石油があるのに貧しいままの中東イスラム諸国と対照的に、日韓は米国の支配下で高度成長を経験して豊かになったので、米国支配への不満がわりと少ない(韓国では南北分断を米国の責任と考える人が多いが)。
北朝鮮の金正日政権は、近くの日韓や中国にとっては、今後もやっかいな存在だろうが、遠くのイランやベネズエラなどの反米諸国からは、米国の覇権に楯突いて勝てる国として賞賛され、非米反米諸国が強くなる国際社会で、金正日らが従来より積極的に発言するようになりそうだ。その一つの兆候が、5月28日の北朝鮮の国防委員会の前代未聞の記者会見だったと見ることができる。
イランのアハマディネジャド大統領は最近、金正日をイラン訪問に招待した。ベネズエラのチャベス大統領は、以前から北朝鮮の「主体思想」を、自国の「ボリバル主義」と同様の素晴らしいものと礼賛している。
http://www.economist.com/world/middle-east/displaystory.cfm?story_id=16067768
President Mahmoud Ahmadinejad looks far afield for diplomatic help
筋金入りの反米指導者は世界的に少ないので、アハマディネジャドやチャベス、それから彼らを扇動する米国の隠れ多極主義者にとって、天安艦事件を契機に金正日が立ち上がって吼え出すのは大歓迎だ。従来、金正日はアジアの指導者らしく実利的で、国際社会で英雄になることより、自国の経済発展(自政権の儲け)を重視し、反米主義を叫ぶのも、米朝国交正常化を目的とした動きであり、チャベスやアハマディネジャドの英雄的反米主義とは一線を画していた。しかし今後は、米国が誘発した天安艦事件の濡れ衣が、世界における金正日の位置を変えていくことになるかもしれない。
日韓の政官界では、北朝鮮を敵視している限り、米国との同盟関係が安泰だと考える傾向が強いが、米国の隠れ多極主義的な意図をよく観察しないと、イスラエルのようにいつの間にか米国にはしごを外された挙げ句、国際的な悪者にされかねない。注意が必要だ。
この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/100531korea.htm
先日の検察審査会のメンバーについての記事がありました。転載します。注意してみること、疑ってみること、警戒すること。本当にそう思います。 11人の審査委員を補助する弁護士の存在(?笑)・・・この人物の公平性はどうやって保たれるのでしょうか?不思議な日本の制度です。国会議員は、一体何をやっているのでしょうか?選挙運動だけでは、本来の政治家とは言えません。政治屋です。http://www.asyura2.com/10/senkyo85/msg/447.html
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植草一秀の『知られざる真実』最近のトラックバックより
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-b9a3.html
http://ameblo.jp/kriubist/day-20100429.html
2010年04月29日
今回の検察審査会はくじ引きではなく、「起訴ありき」で集められた集団だった。
最初にツイッターから重要情報を転載します。
(転載貼り付け開始)
小沢氏に「起訴相当」を突き付けた審査会メンバーを主導したのは、麻生前首相のグループ企業の麻生総合法律事務所所属米沢弁護士で、メンバーはくじで選んだのではなく、任意公募だとのコメントをいただいた。11名全員が「起訴相当」だった謎が
検察審査会の検察審査員は、無作為に抽選で選出されていませんよ。随分前ですが審査員の方からふさわしい人を推薦してほしいと依頼があったので推薦しました。任期は6か月、そのうち半数が3か月ごとに改選されていません。推薦した方は審査員会会長も歴任されました。
(転載終わり)
これを見てみなさんはどう思うだろうか。 あの最初に小沢氏を狙い撃ちした事件が西松建設であり、その当時騒がれたのは麻生政権で「自民党には及ばない」発言をした漆間元官房副長官である。
先日、麻生が日本では3流芸人である北野武の番組で出ていたが、あれは無様な政権だったことのほとぼりが冷め、おそらく検察審査会が「小沢起訴相当」を出すことを知っており、それでTV局らと組んで出演したのだろう。 麻生はいつになってもマヌケな行動しかしない。 ということはこんな人が日本を引っ張っていくこと自体無理というより危険だったと再度(三度?十度?)証明されたのと同じである。
麻生政権が仕組んだ検察との共謀と、今回も麻生グループ企業の法律事務所の米沢弁護士が「くじ」ではなく「任意公募」とういこれまた共謀と完全に見れる議決が「起訴相当」だったのだ。
どんなに証拠がなくても、仮に日本の人口一億2000万人のうちの一億9989人が不起訴相当と思っていても、最初から「起訴ありき」で集められた麻生の法律事務所が恣意的に集めた11名の主張が議決となる。
こんな出来レースの審査会ならば、冤罪が生まれ放題である。
こういうことが国民に分かったのだから、今回の検察審査員11名全員の実体を公表しなければならない。
氏名、年齢、住所、職業、顔写真など。 そしてこの11名と麻生、米沢弁護士こそが、小沢氏を冤罪に陥れる「共謀共同正犯」である。 断じて許せる行為ではない。 こいつらこそが刑務所に行くべきである。
国民はしっかりこの麻生と弁護士を含む11名らを追及しなければならない。 この情報の拡散をみなさんにもお願いする。
※「共謀共同正犯とは」
第27条 1: 二人以上共同して犯罪を実行した者は、みな正犯とする。
2 二人以上で犯罪の実行を謀議し、共謀者の或る者が共同の意思に基づいてこれを実行したときは、 他の共謀者もまた正犯とする。
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4月21日の配信メールを転載します。
(転載開始)
亡国の人物が首謀者であると思われる。私に対してのブラックプロパガンダ(政治的意図を持つ誹謗中傷のこと)も最近、すごい。ヤフーで私を検索するとさまざまに、過去に受けたブラックPRが最近再び、上位表示されるようになった。
以前も、読者数が3千人になろうとしていたときに郵政民営化の嘘を暴いたところ私は同じような猛攻撃を受けた。簡単に言えばSHIGEZO69という人物が誤解から私に対して、」誹謗中傷を行ったことがあった。彼は、自分の意見(悪口)をあたかも一般的な意見であるかのように書いている。これは、SHIGEZO69も誤解が解けたらしくその後、誹謗中傷は行っていない。しかし、某政党がそれを背後でいまだに利用しているのである。
<参考情報>
http://www.asyura2.com/07/senkyo29/msg/102.html
小野寺光一が、過去にBLACKプロパガンダをSHIGEZO69というクレーム屋から受けた背景について
2006 年 12 月 18 日記事
私、小野寺光一は、既存のマスコミにのらない情報を提供しており、政府に都合の悪いことをよく書いている。そのため、私もブラックPRを受けることがある。過去の経緯を知らない人も多いと思われるため、ブラックPRを受けている経緯を紹介したい。多くの人は、私の名前を検索してみると、絶賛か、いいですよと引用しているウェブと罵詈雑言で書いてある、EZO69というブロガーの書いているブラックPRを発見するだろう。
彼はもともとは、誤解から私を批判していたのだが、(別に彼に対して怒ってはおらず、ネット上でたたかれるのはよくある話である。)これを、恐らく某政党のチームだと思われる勢力が、「上位表示されるように」奇妙にリンクを増やしているのである。
引用終わり
言論弾圧として某政府筋から利用される批判サイト
http://www.asyura2.com/0601/bd43/msg/172.html
まぐまぐ政治部門第一位受賞時コメント
http://www.asyura2.com/07/senkyo45/msg/318.html
http://www.mag2.com/events/mag2year/2006/#policy
それが最近復活してきている。相手も必死である。
沢一郎氏を検察審議会が攻撃しようとしている。
この検察審議会というのは、亡国の人物が背景に操作していると思われる。
平野浩 氏
http://twitter.com/h_hirano
検審の決定は昨日出なかったが、民主党内は昨日固唾を飲んでいたという。週内、遅くても月内には出るということだ。
鳩山首相も告発されており、こちらも「不起訴不当」になる可能性が高い。みのもんたの「朝ズバ!」、「爆笑問題」も自分の国の首相を貶める発言を頻発。何か意図するものがある。
検審が決定を出すとされる前日に凄い本が出版された。平野貞夫氏による『小沢一郎完全無罪/「特高検察」の犯した7つの大罪』(講談社)である。内容は極めて濃い。これは参院選に向けて小沢幹事長がある決断をしたことを意味している。
ここには小泉純一郎氏黒幕説が描かれている。
検察が徹底的に調べて不起訴にしたのに、検審が数週間で「起訴相当」か「不起訴不当」を出した場合、検察が即起訴すると検察の威信にかかわる。しかし、検察が「不起訴」にすると、検察は全資料を裁判所が指定した弁護士に渡すことになる。検察はこれを嫌がる。不正がバレル恐れがあるからである。
検察審査会の決定はオーバーにいうと、日本の今後の運命を決するほど重要だ。もし、「起訴相当」が「不起訴不当」が出たとき、検察がどう出るかに注目が集まる。その場合、普通は検察は「不起訴」とするのが普通であるが、即座に起訴するという噂がある。注目である。
以上 引用
われわれがやらないといけないことは、この検察審査会は、談合によって起訴をすることに元から決まっている可能性が非常に高い。
100%小沢一郎は無罪だが、検察審査会が起訴すべきだという議決を出す可能性は100%に限りなく近い。
というか、政治に詳しい人間からすれば、から起訴するために全てがまわっているのである。
ただ、われわれは、これを阻止すべく新聞社、検察などに意見をいうべきである。
この謀略をとめなければならない。
小沢一郎完全無罪 ─ 「特高検察」が犯した7つの大罪
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062161818.html
http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%B8%80%E9%83%8E-%E5%AE%8C%E5%85%A8%E7%84%A1%E7%BD%AA-%E3%80%8C%E7%89%B9%E9%AB%98%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E3%80%8D%E3%81%8C%E7%8A%AF%E3%81%97%E3%81%9F7%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%A4%A7%E7%BD%AA-%E5%B9%B3%E9%87%8E-%E8%B2%9E%E5%A4%AB/dp/4062161818/ref=sr_1_1?ie=UTF8&;s=books&qid=1271807399&sr=8-1
元資金管理団体責任者が語る小沢一郎のカネ豪腕政治家のカネの真実、そして検察が小泉政権で変質していく過程を検証する超弩級のインサイドストーリー。検察の今の手法を許したら誰でも明日は監獄の中だ!
国際評論家小野寺光一の「政治経済の真実」
(転載終わり)
検察審査会の結果が出て・・・https://post.coara.or.jp/cgi-bin/pop3
世界の覇権体制は、G7に象徴されていた米英中心から、G20に象徴される多極型に転換している。その一環として東アジアの国際政治体制も、今後数年から十数年の間に、米国中心から中国中心に転換していきそうだ。日本も当然、この流れの影響を受けている。
日本の政治は今、米英中心型の対米従属を旨とする自民党が下野し、多極型の中国中心の時代に対応しようとする小沢一郎の民主党が政権についている。だが、まだ米国が延命しているうえ、自民党時代に日本を動かしていた官僚機構(とその外縁部であるマスコミ)の対米従属へのこだわりが強く、抵抗勢力となっているため、沖縄基地問題や円高容認策など、鳩山政権が当初掲げた戦略の多くが頓挫している。鳩山政権の終焉が近い感じが高まっている。
しかし、4月に入って「鳩山以後」の政局を目指して始まった、いくつもの新党結成の動きは、いずれも小沢・鳩山が果たせていない「多極化対応」の策略を受け継いでいる。今回のキーワードは「地方分権」であり、その中でも特に「大阪」である。
たとえば、自民党を抜けて新党を結成しそうな舛添要一・参院議員は、鳩山批判を展開する一方で「大阪を香港にする」を骨子とした「一国二制度」を掲げている。一国二制度は、民主党が以前から掲げている地方分権の構想のキーワードだ。舛添は鳩山を批判しつつ、日本の国体という、政策の最も重要な部分で、鳩山と同じことを主張している。
しかも舛添は、地方分権に関して鳩山よりも過激だ。鳩山の民主党が「一国二制度」という言葉を使ったのは、沖縄に対する地方分権政策などを決めた「沖縄ビジョン」の中である。沖縄は、独立王国だった明治以前、中国と日本(薩摩藩)の両方に帰属する「両属」の国是を採っていた。民主党の沖縄ビジョンは、沖縄の両属性の伝統という特殊事情を、日本の地方分権化の起爆剤として使う意図で、沖縄に一国二制度を導入すべきだと書いている。
(民主党がまだ野党だった05年版の沖縄ビジョンでは、この意図が比較的明確に打ち出されていたが、沖縄の両属復活が中国への国権譲渡にあたると批判され、政権取得が視野に入ってきた08年版では、曖昧な表現に変えられた)(沖縄から覚醒する日本)
このように民主党は、沖縄の特殊性をふまえて「一国二制度」の導入を提唱した。舛添は、もっとラディカルに、歴史的に日本の外縁部だった沖縄ではなく、江戸時代まで日本の中心だった大阪で一国二制度をやるべきだと主張し「大阪独立国構想」が日本を救う「秘策」になると主張している。日本分割の主張である。(日本新生の秘策「大阪独立国構想」を提言する 「一国二制度」で真の地方活性化を 舛添 要一)
▼どの新党も地方分権を掲げる
自民党を脱党して新党「みんなの党」を立ち上げた渡辺喜美も、以前から大胆な地方分権化をうったえており、みんなの党の綱領にも、それがうたわれている。山田宏・杉並区長や中田宏・元横浜市長ら、地方自治体の首長たちが4月18日に結成を発表した「日本創新党」と、大阪府の橋下徹知事らが4月19日に結成した地方政党「大阪維新の会」も、当然ながら地方分権の推進を掲げている。(みんなの党「脱官僚」「地域主権」「生活重視」)(日本創新党「国家の自立」「地方の自立」「国民の自立」)
橋下の大阪維新の会は、大阪府下の自治体を独自に合併改組し、東京都に匹敵する「大阪都」にして、地方分権の先駆例になろうとするものだ。舛添の「大阪を香港にする」という構想は、橋下が言い続けて来たこととかなり近い。
橋下の新党は「アジアとの競争」「関西の視点」「住民に近い基礎自治体」の3つを掲げているが、これは「対米従属を脱してアジア重視」「官僚支配を脱して地方分権」という、鳩山と小沢の民主党が掲げてきたこととも、本質的に同じである。あちこちで新党が結成され、政治主張が多様な状態になっているかに見えるが、実はそうではない。
平沼赳夫や石原慎太郎らが結成した新党「たちあがれ日本」も、表向きは外国人参政権や夫婦別姓など民主党の政策に反対しているが、この党には中曽根康弘元総理が関わっている。中曽根は以前から「日本は、米国、中国の両方と等距離外交をすべきだ」と主張しており、考え方は小沢一郎と大差ない。たちあがれ日本に入った与謝野馨は中曽根の元秘書だが、小沢一郎と近い。園田博之もアジア重視で、北朝鮮との外交回復を提唱したこともある。(たちあがれ日本・結党趣旨)
半面、平沼赳夫は親台湾で、ウイグル独立運動を支援する反中国派で、石原慎太郎も反中国だ。親中国派と反中国派が呉越同舟した、たちあがれ日本は、拙速に作られたと揶揄されているが、実はこれは、右派の勢力をまとめて対米従属から離脱させようとする意図的な組み合わせかもしれない。中曽根はそのぐらいのことを考えうる。石原も、大展開になる話でなければ、東京都知事の任期半ばで新党に入るわけがない。
民主党が勝った昨夏の選挙戦でも、自民党は、大阪府の橋下知事や、宮崎県の東国原英夫知事に接触し、2人を筆頭とする地方分権論者の地方首長たちを味方につけ、何とか敗北を防ごうとした経緯がある。今夏の選挙で、今度は鳩山の民主党が負けるかもしれないという今、再び橋下や東国原といった地方分権論者が台風の目になっている。
舛添も今回、橋下と東国原に接触した。首相になりたい舛添は、橋下や東国原を誘って地方分権策を掲げた「第三極」的な新党を立ち上げて党首になり、予測される地方分権化の嵐の中で新党の党勢を伸ばそうとしたのかもしれない。舛添が自民党から大勢の脱党者を連れて新党を結成するならと、渡辺喜美の新党も合流する構えを見せた。しかし、橋下は独自に地方政党を立ち上げて中央政界と一線を画し、山田・中田らも対抗する新党を作るに及んで、舛添の計画は(とりあえず)失敗した。(舛添は4月21日、あらためて新党結成の意志を表明した)
▼官僚支配と対米従属の行き詰まりを打破する秘策
こうした一連の動きから見えるのは、今の日本の政治の中で、地方分権が大きなテーマとなっている状況だ。国民生活の中で、地方分権が差し迫った必要性として感じられることは少ない。国民の多くは、地方分権と言われてもピンとこない。「日本は狭いのに、何で権力の分散がさらに必要なのか」とか「民力の地盤沈下が激しい地方には、分権化で与えられた権力を有効利用できる能力がない」といった主張もある。
それなのに、こんなに地方分権の必要性が取り沙汰される理由は、地方分権を推進すると、今までの日本で非常に強い権力を隠然と持っていた官僚機構を解体できるからだ。戦後の日本の官僚機構は、対米従属の国是を維持する機関として機能し「おみこし」的に自民党を担ぎつつ政府の事務局として位置することで、国家権力を握っていた。
しかし今、官僚にとって真の「お上」である米英の覇権が崩壊過程にあり、官僚機構はあちこちで機能不全に陥っている。在日米軍はグアムに移転する気になっており、日本では防衛庁が省に昇格して防衛能力が向上しつつあるのに、いまだに日本政府は巨額の思いやり予算を無駄遣いで出してまで、何とか米軍を金でつって駐留してもらっている。(官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転)
日本は経済が成熟し、円安より円高の方が望ましいのに、日銀や財務省は、ドルを守ることを優先して「デフレ」を重大視する歪曲策をやって円を弱めている。自民党政権の最後の3年間には、自滅的に赤字策が拡大され、民主党が政権をとって対米従属を離脱しようとする時には財政が破綻寸前になっているという、対米従属派の最後っ屁的な策略も行われた。官僚機構の外縁部門であるマスコミも、米国の危機的状況や世界の多極化傾向についてはなるべく報じない一方、中国や小沢・鳩山をできるだけ悪いイメージで描くことに力を注いできた。
マスコミのプロパガンダ機能を握っている官僚機構は、自分たちを無力化しようとする政治勢力を潰しにかかるので、かなり強い。しかし、日本はこのままではダメだと思う政治家は、官僚機構を大規模に解体再編しない限り日本は立ち直れないと、気づくようになった(今の状況で、そう思っていない政治家は、無能か官僚の傀儡か私利私欲派だ)。
そして、大都市圏で集めた税金を地方の公共工事に回して地方経済を回すという戦後の土建行政の体制が、成長鈍化による財政難によって進められなくなり、その対策として地方分権の構想が出てきたのに乗って「地方分権を大胆に進めることで、東京の官僚機構の権限を剥奪し、各地方に分散してしまう」という官僚制解体構想が、ここ数年、隠然と出てきた。地方分権になれば、マスコミに対する行政的な権限も地方に分散される。与党時代の自民党も地方分権構想を作っていたが、かなり大胆なものだった。
日本の国是は明治以来、中央集権の強化である。それが100年以上続いた今、地方には、人材も独自文化も進取の気性も、ほとんど残っていない。地方に受け皿がないのだから、地方分権はもともと「地方切り捨て策」である。しかし、そこに「官僚解体」という隠れた目的が加わったことで、地方分権の主張は一気に活気づいた。舛添が、地方分権の先駆例となる「大阪独立」を「秘策」と呼んだのは、誇張ではない。
▼現実になる「沖縄から覚醒する日本」
県知事の中には官僚出身者も多く、彼らの多くは地方分権構想をスローガンだけの表層的な内容に薄めようとした。それに対し、中央政界からは、選挙のたびごとに橋下や東国原といった数少ない人気のある独立系の知事を大騒ぎして盛り立てる動きが出て、地方の人々が地方分権に目覚めるのを誘発している。
鳩山の民主党は、この手の人々を奮起させる誘導策を、すでに沖縄で「普天間基地問題」としてやって、成功している。民主党は、野党時代から「沖縄ビジョン」で普天間基地の県外・国外移転を求め、政権に就いた後は、県外・国外移転を基調政策としつつ鳩山が「沖縄の民意を重視する」と言って沖縄県民を扇動した。鳩山が官僚とマスコミによる敵対策の中で動けなくなり、指導力が落ちた今では、沖縄のほとんどの人々が「普天間基地を県外(国外)に移転するまで戦う」という意志を持っている。
普天間基地問題が喧伝される中で、日本人は全国的に「地元に米軍基地が来たら大変なことになる」「そもそも日本に米軍基地が必要なのか」と考え始めた。普天間基地の移設先として名指しされた鹿児島県の徳之島では、大半の島民が移設に反対し、猛烈な反対運動を始めている。普天間基地がある限り、沖縄県民は基地追い出しの運動を続けるだろうし、本土にどんな移設先が出てきても、地元の人々が反対する。
硫黄島など無人島への移設には「隠れ多極主義」の米軍が反対する。最後には、米軍基地に日本から出ていってもらうしかない。米軍は、とっくに出ていく気になっている。中国は古来、日本を占領しようと考えたことはない(元寇は蒙古人)。日本には立派な自衛隊がある。もともと米軍の駐留は必要ない。「沖縄から覚醒する日本」が現実のものになりつつある。(沖縄から覚醒する日本)
ここで当然「与党や首相には権力がある。民主党が米軍に出ていってほしいのなら、米国にそう言えばよい。沖縄県民の反基地運動の誘発などという回りくどい方法は必要ないはず」という疑問が出る。しかし実態は、そんなに理想的ではない。
たとえば最近、日本の外務省が軍事などに関する過去の日米密約の文書を破棄し、政治家や国民に知らせないようにしてきたことが、民主党政権によって暴露されている。軍事だけでなく、70年代にドル支援のために日銀が巨額資金を米連銀に無利子で半永久的に貸し出していた件も、日本側は文書を破棄していた。つまり官僚は、首相や議員に大事なことを教えないようにしてきた。首相や大臣は、マスコミや世論に非難されぬよう、うまくやる必要があるが、そのための情報や外交ルートなどは、すべて官僚が握っている。官僚は政治家が丸裸だと知りつつ、何でもお申し付けくださいといんぎんに言う。
同様の事態は米国でもある。オバマはアフガニスタンから撤退したいが、策略を持った側近に隠然と阻まれている。軍産英複合体が作った米国の英米中心主義の体制を壊すため、米中枢の多極主義者は、軍産複合体の一員のようなふりをして権限を握り、イラク戦争やイスラム過激派扇動などを過剰にやって失敗させるという、手の込んだ策略を展開した。オバマの顧問であるブレジンスキーは「世界的に人々が政治覚醒する時代が来た」と言ったが、これは彼自身を含む多極主義者が、世界的に人々の反米感情や独立精神を扇動し、世界を多極化する戦略である。普天間や地方分権の問題で、日本の民主党などがとっている戦略は、ブレジンスキーのものとよく似ている。(世界的な政治覚醒を扇るアメリカ)
(その意味で小沢一郎は隠れ多極主義の対米従属だといえる。かつて小沢の師匠の田中角栄は、多極主義者だった米国のニクソンに誘われて日中友好をした。土建屋の角さんは、中国の巨大なインフラ整備事業の潜在需要に飛びついた)
沖縄県民を不可逆的にその気にさせた時点で、民主党の戦略は成功している。小沢にとって鳩山が「駒」だとしたら、鳩山政権が短命に終わってもかまわない。次の選挙で民主党が負けても、その次に出てきそうな政党の多くが「地方分権」「アジア重視」を掲げているのなら、敗北すらかまわないことになる。小沢の戦略が失敗しうる最大の可能性は、ひょっとして米国の覇権が延命・復活し、日本で対米従属派が巻き返すことだろう。
▼大阪の異様なパワーを再び
話を地方分権に戻す。私が「地方分権問題は、沖縄基地問題の延長線上にある、ブレジンスキー型の国民扇動戦略だ」と最初に思ったのは、昨秋、政権交代後「東アジア共同体」「対等な日米関係」など多極主義的なにおいのする方針を打ち出した民主党の本質を調べ、民主党の沖縄ビジョンと地方分権策(改憲案)を読んだときだ。私は「民主党の隠れ多極主義」という記事を書いた。(民主党の隠れ多極主義)
そこには、橋下や東国原も登場するのだが、私が抱いた「沖縄基地問題の延長線上で地方分権問題が煽られていく」という予測は、今回、鳩山政権が弱くなったのを機に、地方分権を掲げる新党結成の動きがいくつも出てきたことで、一歩現実に近づいた。
地方分権策の先駆地として、大阪などの関西はうってつけだ。関西は、首都圏に次ぐ大都市圏で、江戸時代まで日本の中心だったという誇りと、独自の文化が、人々の中に存在する。関西は1970年代以降、多くの企業が大阪から東京に本社機能を移転した結果、経済的、人材的に危機に陥っており、人々の中に潜在的な危機感がある。
大阪府下の自治体は、大赤字で財政破綻寸前のところが多く、それが橋下府知事らの危機感の原点になっているが、大阪の財政難の原因は、多くの企業とその社員が東京に移り、税収が減ったのに、以前と同じ財政支出を続けたためだ。その点、大阪の役人や人々(有権者)は、危機感が足りない。「どうせ東京にはかなわない」というあきらめが過半かもしれない。
(私は東京出身で、仙台の大学を出て、1990年代前半に大阪で記者勤務をしたが、当時の大阪、特に本町以南の雰囲気が、東京や東北の街と非常に違って風変わりなことに驚いた。大阪人は商売も巧みで、東京の大銀行が「なにわ金融道」に引っかかり、何百億円も不良債権を抱えていた。だが先日、久しぶりに大阪ミナミの商店街を歩いたところ、東京の真似しかできない仙台と似通った雰囲気の、小じゃれた街になったのを感じ、大阪はすっかり「地方都市」になったと思った。大阪の異様な独自パワーは消えつつある)
だが、歴史的背景から考えて、関西人は扇動されれば「自分たちこそ上方」「東京をしのぐ街になる」という気概を持つだろう。東京が対米従属にからめ取られている間に、アジアから独自の経済誘致ができれば、舛添の言うとおり、大阪は香港的な発展ができる。大阪は従来からアジア指向だったが、これまでの地方自治の枠組みでは、スローガン以上のことはほとんどできなかった。日本が明確な地方分権策をとれば、この限界を打破できる。大阪が、地方都市に成り下がるのがいやなら、国策の革命を起こすしかない。そして、橋下や小沢や舛添は、大阪人・関西人を扇動し、革命にいざなおうとしている。
沖縄は、この革命の先駆地であるが、沖縄は地理的・歴史的に日本の辺境なので、沖縄の革命は本土に伝播しにくい。そのまんま東の宮崎県も、指導者的には革命拠点になりうるが、地理的にめだたない場所にあり、宮崎で革命が起きても、東日本の人はピンと来にくい。その点、大阪は影響力がある。東京のテレビに出ている関西人の芸人たちが「大阪の独立を支持するで」「地方主権や」と言い出せば、大騒ぎになる。
今後の地方選挙で、橋下新党が大阪府下や関西一円の地方議会の多数派になっていけば、地方からの民主的な革命(体制転換)になりうる。関西の動きに呼応し、各地で地方分権の要求が起こり、東京政府の中央集権的な官僚制度が「旧体制」として打倒の対象になる。こうした地方からの革命(政権転覆の反乱)が起きれば、それは明治維新以来のものだ。沖縄、大阪、宮崎での地方分権運動の連携は、かつての「薩長同盟」になりうる。日本人は、陶酔の対象を「坂本龍馬」など美化(誇張)された昔の物語に求める必要はない。明治維新と並ぶ大転換の物語が、今の日本で始まっている。
(またもや東北人は、情報不足から旧体制側を支援して失敗する「奥羽列藩同盟」の誤算を繰り返すかもしれない。今回の動きの中でも、東日本の動きはにぶい。民主党が仕掛けた北海道の地方分権運動もしりすぼみだ。残念なことに、鈍感な東北は「永遠の田舎」だ)
今回は、選挙で選ばれた首長や議員たちがリーダーだが、明治維新のリーダーたちは選挙で選ばれたわけではない。その意味で、今の日本で展開している地方分権革命は、明治維新よりフランス革命に近いかもしれない。日本でもようやくフランス革命型の民主的な下からの体制転換が起こりうる。
▼中国の介入が心配
今回の体制転換で気をつけねばならないのは、失敗すると中国の日本に対する影響力を強めてしまうことだ。地方分権運動は、多極化する世界の中で、東京の中央集権の官僚政府が対米従属を頑迷に貫いて失敗していることを受け、地方勢力が分権とアジアへの接近(多極化への対応)を模索して運動を起こしている。はからずも米英中心主義と多極主義の対立軸になっているが、内乱がひどくなると、中国が「日本の安定化を助ける」という名目で、地方分権勢力を隠然と支援する事態になる。中央集権体制の解体である地方分権は、うまくやらないと国力がばらばらになり、中国など外国勢力に付け入るすきを与える。
このように書くと「嫌中派」(無自覚に対米従属する人々)から「やっぱり中国は日本を支配したいんだ」と反論が来るだろう。だが、そもそも今回の事態は、米国が隠れ多極主義の方向に走り、日本の対米従属の国策が破綻しているのに、日本政府(官僚機構)が国策を変えず、日本を危機に陥れているところから起きた。中国に介入されるとしたら、それは日本人が自国を行き詰まりから脱却できないからだ。その一因は、国民の多くがマスコミ(官僚機構の一部)に踊らされ、無自覚に対米従属を信奉する嫌中派になっていることだ。
(最近また、中国軍が日本の軍艦に接近する事件の報道が相次いでいる。こうした報道の中に、日本人の中国嫌いを煽って対米従属を延命させるための誇張や歪曲が入っていないかどうか、考える必要がある。私も日本人として、思考が浅いくせに偉そうな中国人に腹が立つときがあり、心情的には中国に対する脅威感は理解できるが、官僚機構は、この漠然とした日本人の対中脅威感に付け入って歪曲報道をしている)
中国は、ミャンマー、カンボジア、ラオス、中央アジア諸国、パキスタン、北朝鮮、モンゴルなどの国々に、経済と政治の両面で隠然と介入している。いずれの国も経済や政治の基盤が脆弱で、国として不安定なので、中国の介入を招いている。中国は、自国周辺の安定のために介入せざるを得ないとも言える。日本は、沖縄の両属をのぞき、これまで一度も中国に介入されたことがない。今後、日本が中国に介入されるとしたら、それは日本がミャンマーや北朝鮮、カンボジアなみの、不安定な国に成り下がることを意味している。中国を嫌悪するひまがあるのなら、むしろ、中国に介入されない対米従属以外の日本の国家戦略について考えた方がよい。
小野寺光一さんのブログから転載しますが、「いつもこんなこと有り」の情報が掲載されています。
オフィス松永ブログ
http://blog.officematsunaga.com/archives/1598
前年度、偽装新党を画策して、木村拓哉総理のモデルとなっていたのは小泉2世だった。もしかしたら新党に、小泉ジュニアが参加するかもしれない。今回も与謝野は小泉の後継者、首長新党は中田宏氏という隠れ小泉派である。
民主党には、小泉政治を継承している前原、枝野がいる。枝野は猪瀬の役割を果たしている。目立たないが、原口総務大臣も外資の利益を図っていると推定される動きをしている。郵政民営化を推進している。
インターネット選挙解禁などは、わなであり、反対すべきである。
東京スカイツリーも一種のわなとして使われる可能性があると推定される。恐ろしいのは東京スカイツリーは、その事業費用500億円をヨーロッパの投資家に発行する転換社債(株に変換できる社債)によって調達しているため、のちにこの転換社債を株という経営権に変えられてしまえば、欧米の会社のものになるのである。欧米の会社の経営権は8割を占めてしまうだろう。
何らかの形で、強い電磁波を出すと人間の思考は、コントロールされうることが知られている。