晩秋の落日のドルとユーロ
新井信介さんからの転送メールです。発信元は、吉田繁治さんです。 パリからの発信です。
新聞情報だけでは、真実に近づくことが出来ません。
マネーゲームの付けが回ってきました。
政府の施策は一体なんだったんでしょうか?
グローバルスタンダードを押し付けられて、でも押し付けた方は先に日本に押し付けたことを実践していたのでしょうか?
米国も金利を下げましたが、日本はプラザ合意を守って米国に金利を上回ることはしません。
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<Vol.230:晩秋の落日のドルとユーロ>
こんにちは、吉田繁治です。この1週間、世界の株価と為替は、かつて経験がない嵐のように、激動しました。世界の金融機関が抱えている巨額不良債権の問題が、どこに、どう着地するのか、市場が疑心暗鬼だからです。
3か月決算での、投資資産(株・証券・債券・CDS等のデリバティブ)の時価評価は、各国政府によって、緊急停止されています。理由は、世界の金融機関が、時価評価すれば、債務超過。そのため、隠れた債務超過による、次の破産はどこかと、不安と憶測がつのる。
今、パリにいます。比較的に余裕がある、7日の滞在です。ロンドンの金融街シティと、ベルギーの中世の街ブルージュにも行きました。パリとロンドンは相変わらず世界から観光客が多い。週末の街は雑踏です。
現地の主要紙と経済メディアは、100年来と形容した金融恐慌と不況、 そして、明日に迫った失業を、報じています。
▼3000兆円
あまりに、損害の規模が、大きすぎる。世界の株は07年10月のピーク 価格($63兆:6300兆円)から、3000兆円(約50%)もの、時価資産を失っています。
日経平均も、外人ファンドの資金繰りのための換金売りに、国内勢は買い負けて、驚愕の7603円(08.10.24午前:終値は7649円)時価総額は282兆円で50%に縮小しています。この水準が続けば、全部 の銀行や保険会社は、含み損を抱え、8%は必要な自己資本が減るので、1997年~05年まで続いた再びの、激しい貸しはがしになります。
株価だけで失われた世界の3000兆円への、想像力は働きません。世界のGDP(商品生産と流通の総額)の半年分、日本のGDPの6年分、米国のGDPの2年分、西欧のGDPの2年分と言っても、イメージは 難しい。
金融は会社の外面ではなく、会計と評価という内面だからです。しかし、総額で3000兆円もの信用縮小は、実体経済(生産、流通、所得)にとって、今後の、激しい低下を意味します。
唖然(あぜん)、呆然(ぼうぜん)、自失、判断停止。意味は、何?
これが、人々の、普通の感想になるのが当然です。
パリ、ロンドン、NYそして東京の街では、レストランやホテルは変わらず営業し、店舗には客が来る。売上は伸びないが、すぐ倒産はしない。平常通り動き、生産ラインも、まだ、止まってはいない。核兵器や爆弾が、とんでくるわけでもない。
2000年代の、低金利金融の膨張による貸付の、行き過ぎのせいだ。マネーの血圧が高すぎた。しかし銀行がつぶれれば、政府が資金をいれ、救済する。預金カットのペイオフも停止されて、全額が保護されています。
今はまだ、外面は、変わっていません。
しかし信用(マネー)という経済の血液が出血し、株価時価で3000兆円分も失われたままなら、至る所で、企業の生産・流通のためのマネー不足が起こります。住宅価格の下落より、この株価の下落の損が大 きくなった。
そのため、今後、生産・流通が減少し、企業と個人の所得が減り、失業が増えます。90年代の バブル崩壊後の日本の不況と巨額資産喪失を、世界が経験します。何年続くか? 短くて3年、長ければ5年か。
金本位時代の1929年の、マネー供給が縮小した大恐慌ほどではない。
しかし、それに、限りなく近い。今は、現在進行形です。10年後には、あのときだったと言われるかもしれません。
・・・・・・・・・つづく