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吉田繁治さんからのお正月メール 信用恐慌の本質 2009.01.04

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吉田繁治さんからのお正月のメールです。

昨年のリーマンショックから、世界同時不況に陥ってしまいました。

日田市でも例外に洩れずに、倒産、自己破産、自殺などが続いています。

何が原因でこうなったの?

吉田繁治さんからのメールを転載します。

参考になります。

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ビジネス知識源:新年特別号:

マネーと信用の根源をたどれば信用恐慌が分かる

※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。


 【良質な経営・IT・ビジネス・経済・金融知識の提供を目標に】

          2009年1月04日:Vol.231

<Vol.231:新年特別号:マネーと信用の根源をたどれば、信用恐慌が分かる>

 吉田繁治                            読者数:38,841
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 明けまして、おめでとうございます。

 株式市場や為替市場が開いていない時の世界は、静かですね。賀正の三日も、瞬く間に過ぎました。毎年行く勝尾寺(箕面市)の参拝者は、少なかった。ここまで影響するのか。

危惧されていた米国の、約3ヶ月分を売るクリスマス商戦(11月末~イブ)は、もっとも早いマスターカード社の速報では、50%~75%引きの特価にもかかわらず、前年比で-4%付近です。以前は5%以上の増加があった。米国では、個人消費がGDPの70%(日本は60%)です。

 これで米国の09年GDPの、控えめなOECD予想(-0.9%)より大きなマイナスは、ほぼ確定しました。12月の安売りで、余分に売った数量増がある。このため1月~3月期は売上減が激しくなって、小売業にも倒産が増えます。信用収縮が、経済を複雑骨折させた。

 輸出経済の中国で、大量失業のため、食を求める暴動が起こるかもしれない。人は、決して、飢えさせてはならない。義父から、戦争時代のフィリピンでの敗残の物語を聞いて、学んだことです。広州では、5万カ所の中小工場が操業停止と報じられます。(注)日本は08年8月、10月、11月と貿易赤字になっています。

 政府、政府系エコノミスト、公的機関のGDPや経済予測は、近年、常に高すぎます。今年も、秋にはよくなると言う。低くすれば、減税と対策を求められるからです。内閣府に質(ただ)せば、これは目標と言う。記憶しておくべきことです。正月の株価見通しも、願望でしかなかった。

 前号では、「信用」とは何か、「信用恐慌」はどう起こるかの原初をたどるため、18世紀初頭フランスの「ロー銀行(フランス王立銀行)」による、世界初のペーパーマネーの顛末(てんまつ)を述べました。本稿では、信用創造の謎を追求します。30枚です。

 ペーパーマネーの信用=国債信用=国家財政の信用=将来の徴税力の信用=GDPの増加の信用=労働人口の増加×生産性の上昇という、信用の等式も、次第に、分かるはずです。ここから考えねばならない。

 無料版が1か月発行が途切れたことをお詫びします。その間も、経済は激しく動いています。本稿は、有料版と同じ新年増刊号を、送るものです。

 まぐまぐ大賞への投票、ありがとうございました。おかげさまで、無料版・有料版の全部門で、1位の『まぐまぐ大賞』を獲得できました。新年に当たり、御礼申し上げます。良質な論考をお届けする責任を感じます。無料版の読者数は、一度に1000人以上も増えています。
http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/

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<231号:新年特別号:マネーと信用の根源をたどれば、信用恐慌が分かる:中篇>2009年1月4日 年賀

【目次】
1. 準備率
2ペーパーマネーは賭博場のチップに似て
3.人は理性で計算するが、結局、感情で決定する
4.今、幸いに世界で国債が買われているが
5.国債はノンリスクとされる
6.金融資産は、別の人の負債
7.フランス王立銀行の帰結:1720年
8.現代の銀行制度
9.信用が創造されるプロセス
10.支払い準備率と信用創造
11.銀行は負債額が資産額
12.株も信用創造

【後記:人の宝石】

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■1. 準備率

【準備率が鍵】
紙幣を発行するために作られたフランス王立銀行(ロー銀行)による信用創造の鍵が、「低い準備率」という仕組みにあったことは、前号で了解されたでしょう。詐欺ではないのですが、預金の取り付けが現実におこると、詐欺風になってしまう。このため、銀行の本当の仕組みが、教育されないのかもしれない。

紙幣と、銀行がもつ貴金属の貨幣と交換を、政府・銀行が保証しても、支払い準備は多くて10%や5%、時に3%です。3%ならレバレッジ倍率(負債倍率)は、33倍です。

【今はBIS規制が準備率】
BISでは、国際的な取引を行う銀行の、時価の変動があるリスク資産に対する「自己資本(Tier1という)比率」は8%を推奨しています。

世界のマネーの総元締めは、中央銀行の上にあるBISです。スイス・バーゼルにある国際決済銀行で、各国中央銀行の中央銀行の役割を果たし、金融機関の対外決済は各国中央銀行を経て、BISを通ります。BISの株主は、国際金融マフィアです。

(1)わが国では、金融ビッグバンの90年代に、BIS基準を受け入れ、国際業務を行う大手銀行は、Tier1(中核的自己資本)で8%、国内業務に特化する地方銀行は、4%とされています。

米欧では今、リスク資産も時価評価の停止で、これが無視されています。信用を創造する金融には、他より強い経済倫理がいるのですが、金融危機のときは無視され、(今はFRBも何でもありで)当面する危機の、津波のような波及を防ぐ策をとっています。

(2)国債は、国が(ペーパーマネーで)償還を保証するからという理由で、(変なことですが)価格変動はあってもリスク資産ではないとわが国財務省はしています。為替価値が日々大きく変わるドル国債はどうなのか?

世界の銀行の仕組みは「低い準備率というマジック」で成立しています。構造は、フランス王立銀行(ロー銀行)と変わっていません。いや今は、ロー銀行のように、金との交換が保証された兌換紙幣(だかんしへい)ではない。不換紙幣でありペーパーマネーです。ペーパーマネーと国債の信用は、完全に同義です。

【根底を言えば・・・】
両者の信用の元を遡れば、国家の財政と将来の徴税力です。そして、将来の徴税力は、GDPの増加に依存します。GDPが増えないと増税は無理です。そのため、高齢化(=労働人口の減少)や企業の生産性の停滞や低下でGDPが伸びなくなると、国債の信用は下落し売れなくなって、金利が上がります。

社債の信用が、発行企業の収益力に依存するのと全く同じです。

そのペーパーマネーの価値は、外国為替市場で「相対的な価値として(=各国ぺーパーマネー同士の関係で)」、日々変化しています。国内の通貨で計る国債価格の変動より、はるかに大きい。為替相場が、国の経済の先行指標になっています。

1日1%の騰落は年間延長では365%です。5%なら1825%。信用でFX(外為投資)を行った人なら、実感されるでしょう。10倍のレバレッジは、10ヶ月を1ヶ月に、10年を1年に短縮します。ペーパーマネーがベースの現代金融は、この時間短縮を行います。

世界のペーパーマネーと国債には、兌換の対象だったゴールドのような、人類共通の価値基準がない。いや、兌換紙幣も、実際にはローの銀行のように、交換要求が増えると兌換できないので、事実上は不換紙幣です。金本位も、1970年(ニクソンショック直前)の米ドルのように、金交換要求が増えると守れない制度です。(注)金本位に戻るという説もありますが、それはない。

ぺーパーマネーでは、国家財政の赤字を国債と紙幣発行で補うので、インフレが内在化します。しかし、GDPが伸びなくなり、同時に紙幣の価値が、実際は低いと知られると、市場金利が急騰し、紙幣と同義の国債も発行できなくなって、逆の、激しい信用収縮(デフレ)になる。これが、フランス王立銀行の帰結でした。

王立銀行のペーパーマネーが信用されていた4年間(1716年~1719年)は、フランス税収の、25年分の国債(30億リーブル)の利払いをまかなうため、金準備とリンクさせた紙幣発行を急増させた。そのため、株が高騰し、貴族が奢侈品を買うバブル経済だった。

ところが1720年には、過剰発行した兌換紙幣を金貨に交換することができなくなって、取り付けが起こった。 国は、信用を失ったペーパーマネーと国債の増刷ができなくなり、紙幣のマネーサプライは急減して、フランス経済は、デフレ的な恐慌になった。

【本質と根底】
まとめれば、(1)ペーパーマネーの信用は国債の信用であり、それは国家財政の信用です。(2)財政の信用は、国家の、将来徴税力の信用であり、増税は、選挙がある民主国では、実質GDPが増加するときしかできない。(3)実質GDPの増加は、労働力の増加×企業の生産性の上昇です。ここまで、遡ることができます。

〔結論〕GDPの増加率が、マネーへの信用の本質と言えます。
    ただし、対外債務の純増分は割り引かねばならない。

今後(*)年の先進国GDPの減少は、今はまだ信用されているペーパーマネーと国債の信用を、どう下げるか? ここが根底です。

【事実と認識】
経済は「人の認識」で動きます。事実と認識には、時間差があります。今、政府が行うべきは「財政の完全な情報公開」ですが、期待できません。そのため、タマネギの皮むきになる。その証拠に、日本政府は、2009年に最後の埋蔵金(特別会計の剰余金)を出します。これは国債増刷が無理という財務省の表明です。後は・・・ない。

金利は、国債が信用され買われる間は、中央銀行の政策金利に誘導されて、上がりません。ところがその信用が空(くう)と、人々に認識されると、まず、市中金利が急騰します。まだ、その兆候はない。

金融機関が、証券下落による自己資本の減少を補うため、回収可能なリスク資産を回収し、代わりに国債を買っているからです。金融会計制度では、ノンリスクの国債を買えば、自己資本比率は改善すると、財務省がしているからです。民間銀行も、危機では必ず政府が救うので、事実上は特殊法人。

■2.ペーパーマネーは賭博場のチップに似て

前号で示したジョン・ローが、貴金属の貨幣に代わる数字を書いた紙幣を、国のマネーとするという発案をしたのは、賭博場で使われるチップを想うと、明瞭になります。(ジョン・ローの前の事業は、賭博場の経営でした)

窓口でチップを買う。それを積んで賭ける。チップは銀行のペーパーマネーに相当する。チップが残れば、賭博場の外で使うマネーに再交換する。

ぺーパーマネーも、同じ仕組みです。賭博場を広げ、ロー銀行(フランス王立銀行)の紙幣を使ったフランスと見ればいい。

国家が、経済に必要な倫理(ethics)を無視するなら、国債は償還する必要がない。借り換えと新発債を増やし、額面の利払いをしておけばいい。倫理は正しさ(right)の追求。

市場が十分に引き受けないときは、日本は日銀、米国はFRBが買うことになる。最後は金利分も、新規国債発行で借りる。

国債を発行時の価値〔商品購買力〕で返した国は、(長期で見ると)3000年の世界史上、一カ国もない。結局、インフレで帳消しだった。

国家は、国債が発行できる限り破産しない。ペーパーマネーを、刷れるからです。いや紙幣の印刷ではない。コンピュータでの数字振り込みです。国家に破産はないと政府が言うのは当然です。代わりに、国債をもつ人が破産する。

われわれは(1)中央銀行のバランスシートの内容、(2)政府財政の見通し、(3)国債を買う資金源である余剰預金の3者から、判定するしかない。

2009年、日本は、国債の借り換え債が100兆円、新規発行が40兆円になるでしょう。注意すべきは、次第に、長期債の発行が、引き受け難になってきたことです。

そのため短期債の発行でつなぐ。このため借り換え債は、一層増えます。利益が出なくなった企業が、長期社債を発行できなくなり、短期の借金に頼ることと同じです。

国の総預金が増えなくなると、国債に引き受け難が起こる。形式上の支払い不能はなくても「事実上の破産」はある。以下の時です。

【国家破産は、利払い額を超える国債発行】
大量の国債を、金融市場が買えず、金利が高騰し(国債が下落して)、利払い分以上を新規国債の発行で賄(まかな)ったときです。

米国・欧州・日本の2009年、2010年、2011年は、国債の大量発行です。誰が買うか、買えるか・・・問題。アラブや新興国も、買えなくなった。

(注)実際に起こる半年以上先駆けて言うと、普通、現実感がなくなります。3ヶ月前くらいが、ちょうどいい。しかし今は新年、あえて、6ヶ月を超える中期と3年の長期を言います。

■3.人は理性で計算するが、結局、感情で決定する

誰でも、宝くじが還元率の低い賭博であることは「理性」では知っています。ところが感情では「当たるかもしれない」と確率を高く期待し買う。人は、理性で考え、最後は、感情で決めるという本質をもっている。これが、無理な投機や売りを生みます。稀には、投機で儲ける人も出る。

【予想リスク率=期待利回り率の原理】
金融工学の本質は、「確率的な予想リスク率」は、「心理的な期待利回り率」と等しいという原理です。期待利回り率が高いことは、リスク率の高さと同義です。原理は予想リスク率=期待利回り率。

デリバティブは、市場でしばしば発生する不均衡(予想リスク率≠期待利回り率)を狙い、両者の価格差を裁定(arbitrage)する金融商品を組成します。

計算した理論価格より市場価格が、高いものを探して売り、低いもの求めて買う。期限での決済は、両者の差額のみなので、高いレバレッジをかけることができる。

しかしこれは、金融工学で計算する数学的理性です。問題は、予想や期待の心理です。心理は、数値では測定できない。ところがそれを数字にする。ここに金融工学に本質的な、無理がある。心の愛情や嫌悪は、数値化できない。68%好きだ、とは言えない。

予想や期待という感情が混じると、リスク率を低く(あるいは期待利回り率を高く)見る。または逆です。そして、上げ相場でも逆でも、他の人は失敗しても、自分は成功すると、感情で思いこむ。下がれば、他人に先駆け売ればいいと思うのです。

【相場は、高くも低くも行き過ぎる:これが本質】
ところが・・・下げ相場では、多くの人が売りに殺到し、相場が立たなくなる。気配値はついても、買う人がいない。上げ相場は、逆です。歪みがあるくらい高くても買いが増え、上がりすぎる。

買う人がいないと、流通市場の消滅であり、トレーダーにとって「50%でも売れない、手許に現金がない」という怖い事態が起こる。米欧の住宅証券市場が、これだった。

金融機関がもつ国債が大量に売られ市場価格が下落し始めると、金利は短期間で急騰し、誰も手がつけられなくなる。この点、住宅証券と変わらない。住宅証券は担保価値と世帯の所得が信用の根源ですが、国債は国家財政です。

売りに出た米国の住宅在庫は、いよいよ12ヶ月分に増えた。普通の時期は4か月分です。3倍もある。米国の住宅価格は、ピークから25%下げましたが(08年11月)、まだ下げます。下げの予想が多数派になったので、住宅証券市場に売買が少ない。(注)米国が、国債発行で、売れない住宅証券の45兆円分を買うと言う。

■4. 今、幸いに、世界で国債が買われているが

今、金融の世界では、下がったリスク資産(株・社債・住宅証券等)を売り逃げた金融機関のマネーが、手許現金には金利がつかないので、長短の国債を買っています。

そのため、国債の時価は上がり、時価に対する利回りは、超低金利になった。

米国FRBは、08年12月に銀行間のコールローンの、オーバーナイト(一晩)の短期金利を0%~0.2%に低めた。これは、中央銀行による国債買いの期待が市場に醸成されることを意味します。国債の利回りが、長短のベース金利になる。

(注)08年12月末で、米国市場の短期金利0.44% 長期金利2.18%:日本短期0.62% 長期1.22%:ユーロ短期2.97% 長期2.89%です。

ユーロの長短金利の異常な逆転は、欧州での金融危機の現在進行、つまり住宅ローンの破産増加を示します。短期国債が投げ売られ、下落しています。日本でも、バブル崩壊の初期に、長短金利が逆転しました。

ユーロが今、一時的に上げているのは、短期金利がゼロ水準になったドルを売った、ユーロ建ての長期国債買いがあるからです。約3%の金利差があると、ユーロでも買われます。ユーロも、米ドルと同じく危険なのですが。

■5.国債はノンリスクとされる

国債は、不思議な金融資産です。券面に書かれた額面(名目金額)の償還と金利は、政府が、ペーパーマネーの支払いで保証します。

中央銀行も安全資産として買い、ペーパーマネーを、政府の口座に振り込む。そのマネーを使い、政府は、額面金額を償還する。そのため、不思議にノンリスク資産とされます。

いや・・・不思議ではない。

価格変動のある国債を、他の企業証券と同じリスク資産とすれば、金融機関が保有する国債を売ることに向かい、市中の金利が高騰し、国債発行での借り換えができず、財政が破産し、公務員の給料、年金・医療費を含む社会保障費、軍事費が払えないからです。

つまり国家に破産をさせないための策が、国債をノン・リスクに認定する策です。

ところが歴史では、政府が増税をし、物価インフレ分を加えた利払いをし、償還したことはない。歴史は、人の共通記憶ですが、当面の情報で、覆い隠される。ローマ時代や18世紀、19世紀、20世紀初頭とは違うと人は、言う。何がジョン・ローの銀行(王立銀行)と違うのか。私には、理解できません。

対外債務の多い国でしか、モラトリアム(支払い猶予)やデフォルト(支払い停止)がないのは、償還の資金を得るための借り換え国債を発行し、市場と銀行に売って、借り換えを続けるからです。

しかし信用膨張の結果のインフレ分だけ、国債の時価に相当するペーパーマネーの購買力は、減って行きます。それが(政府規制で)ノンリスク資産とされる。

本稿では、以降で、各国の中央銀行をマネー発行の源流とする銀行制度による、社会におけるマネー創造(言い換えれば信用の創造と、その貸し付け)の仕組みを、示します。ここに、発行時の価値が償還されたことがない国債の秘密もある。

「パーパーマネー」が、銀行以外の、誰かの資産を担保にした負債であることも了解できます。信用の根源に遡りましょう。

信用はクレジットであり、クレジットは、購買力をもつマネーです。その信用を表象(re-present)するのが、中央銀行が印刷する紙幣です。一枚ずつマネーの皮を剥けば、結局至るのは、タマネギのような空芯です。

実際のリンゴ(意味されるもの)と、リンゴという言葉(意味するもの)の関係に似ています。リンゴやappleという言葉を遡っても、音と文字しかない。リンゴでリンゴを表すという約束しかない。マルクスは難しい「価値形態論」(『資本論』の中)で、具体物の商品と交換を約束される「一般貨幣」と言った。しかし今は金属貨幣の代替である紙幣(一般貨幣)には、数字しかない。(注)一般はgeneralです。基準と言ってもいい。

■6.金融資産は、別の人の負債

金融資産や預金は、所有者にとっては、資産です。しかしその資産は、銀行制度を媒介〔メディア〕にして、他の人(国内の国家・企業・個人、及び海外)の負債になっています。

その負債が投資され、利益を生むとき、わが国の個人金融資産も、価値がある。銀行を含むバランスシート(会計的な貸借対照表)で考えれば、分かることです。

【世帯の金融資産】
預金は、
・預金者の資産ですが、
・銀行にとっては負債です。

その負債を使い銀行は貸す、あるいは国債、社債、住宅証券、デリバティブを含む証券を買う。

わが国では、個人金融資産1467兆円(08年9月:前年末比-5.2%:預金800兆円、他は生命保険、年金基金、株、社債保有等)があるとされます。

大部分は預けた金融機関を通じ、国(国債)、企業(株・社債)、世帯(ローン)、米国(外債)が借りています。日本の企業に貸すより多く、米国に貸していると言えば、高いリスクを了解されるでしょうか。戦後の米ドルの歴史は、円に対し、三分の1への切り下げの歴史でしかなかった。

【参考:社会】
「社会」も、わかりにくい言葉ですが、民主国では議会がつくる法を根拠に、お互いが守るルールを定め違反者を処罰して、組織化された集団とでも言ったらいい。王国では、王の家臣である官僚が作る勅令が法です。この社会のルールを変えるのが、「革命」です。

わが国で、社会に当たる和語は、世間や当世でしょう。「世間体(てい)や品」が重要になる。社会体(しゃかいてい)とは言わない。法を守るという意味しかないからです。

会社は社会の中で、独自の価値観(社是や定款の原初的な意味、あるいは理念)で、資本をもとに作られ、仕事が組織化された集団です。

価値観や理念は、何を他より大切にするか、言い換えれば主義にするかという合意でしょう。あなたの会社は、何を、大切な価値観としていますか? そして仕事の方法と戦略は、何ですか?

【株も信用】
後半では、資本主義社会における、株による信用創造の仕組みも述べます。実際、銀行制度で作られるペーパーマネーの信用総額より、資本の利益の期待で作られる信用が大きいことが多い。

それが、世界では07年に6000兆円余に達していた株の、時価総額です。社会における株価の下落は、直接にはペーパーマネーの減少ではないのですが、会社が使える資本が減ることを通じ、ペーパーマネーの減少も、生みます。社債も他の証券も、同じです。

【参考:資本主義】
われわれが制度として認めている「資本主義」とは何か? 会社がその活動の結果上げた利益(またはその逆の損失)が、会社の資本に帰属するという制度が本質です。

社員は、労働の対価たる報酬を受ける。社員の報酬は会社の経費です。その人件費と他の設備関連の経費を引いた結果が、利益です。利益は、資本を出した(株を持つ)株主に帰属します。

(注1)主義は「大切な価値観とする」という意味。資本(=株)を、労働より大切な価値として重んじるのが資本主義でしょう。労働を大切な価値観とするのが、社会主義(あるいは共産主義)でしょう。市場主義の展開が、顧客主義です。顧客を大切にするという意味。

(注2)市場とは顧客ですから、顧客主義はその満足をもっとも重視する。毛沢東主義の中国では、労働が大切で、顧客は重要ではなかった。

(注3)会社の運営方法(=経営=マネジメント)と、社員の仕事の方法(個人職務と、組織での個人職務の連鎖=分業のワークフロー)、重んじるべきこと(価値観、理念、到達目標)を決めるのが、資本の利益を上げることを株主から委任された「経営管理者」です。

【参考:株主と会社】
そして株主は、俗説が言うような、会社の所有者ではない。「人間(自然人)」を、だれも所有できないように、「法人」が所有する資産は、仮想的な、自然人ではない法人(会社)が持つのであり、株主の所有ではない。

株主ではあっても、会社が所有するパソコンや商品(資産)を、持ち株分だけ、黙って自宅に持って帰れば、刑罰を受ける窃盗になることからも、了解できるでしょう。

資本主義のルールでの株主は、会社の資本と、資本が上げるとする利益の所有者です。

そのため、会社の資本である株は、黙って自由に処分ができます。そして、会社の利益(あるいは損失)は、株主の所有です。出資には損失のリスクがあります。その対価として、利益も所有できると見ることができます。

本来、われわれの社会の、根幹にある信用、ペーパーマネーの制度とその本質、及び資本主義における株の意味は、中等教育で教えるべきものです。不思議に行われていない。政府、官僚が言いたくないのかもしれません。

【議論の混乱】
経済的な信用と資本主義について、常識(コモンセンス=共通知識)に欠落があるため、いつも、大きなことの議論には、混乱が生じます。

混乱の帰結として、不況が深くなり、会社利益が減って失業が増えると「要は政府が悪い」、そして「原因が政府なら、政府は、何でも解決できる」という論になる。官僚はそれを聞き、喜ぶ。権益の拡張でもある政府対策ができるからです。そして結果は、年々、規制が多い国になって行く。

【政府部門】
確かに民主社会では、ほぼ等しく政府部門は大きい。社会主義では全部が、政府部門です。社会を重んじるからです。米国では国民所得(≒企業+世帯所得)に占める政府部門は40%、日本では45%です。社会福祉が発達した北欧では70%付近。これを国民負担率とも言う。

元旦の討論番組を見ていると、要は、政府批判でした。それだけに帰することはできないのですが・・・米国でも、オバマ政権は、政府の不況対策への期待で、1月21日に登場します。

世界で最初に、ペーパーマネーを発行したジョン・ローのフランス王立銀行と、ペーパーマネー、及びルイ14世が残した25年分の税収に相当する30億リーブルの、国債は、ぺーパーマネーを発行した4年後の1720年には、どうなったか。まずは、前号の続きです。

その後は、現代の、信用創造をする銀行制度、後半は、株式制度です。

■7.フランス王立銀行の帰結:1720年

ジョン・ローが原案を作った「準備銀行」の発明を利用し、貴金属の貨幣に代えるべく、ペーパーマネーが発案された理由は、太陽王ルイ14世の浪費と官僚(貴族)の蓄財によって、税収の25年分に増えた国債を、紙幣に換えるためでした。

この紙幣は、当初、貴金属の貨幣と1:1で交換する保証を王立銀行がするものだった。銀行は、取り付けがないという前提でしか、成立しません。ところが、取り付けが起こった。

国民は紙幣を信用せず、いったんは銀行に紙幣と引き替えに売った貴金属貨幣の一部を取り戻し、ベッドの下に退蔵した。あるいは、海外に持って行った。

政府はこれに対抗し、貴金属貨幣の、買い物での使用禁止令を出す。国民は、ますます貨幣を退蔵し、フランス経済でのマネーの流通量は減って、ペーパーマネーの信用膨張によってバブル化していた経済は、約半年の短期で信用収縮し、デフレ型恐慌に陥ります。

信用され、使うことができるマネーが減ったからです。

政府は国債の利払いと満期の償還に、フランス王立銀行が発行する紙幣しか出さない。30億リーブルの国債は、順次、無価値になった。政府は勅令で、国債をペーパーマネーに換え、帳消しにした。

政府が交換を保証していた貴金属貨幣の多くは、モノの価値が低い銅貨に置き換えられた。ない袖は、振れないからです。

ゴールドは、それ自体が高い価格(=価値)を持ちます。紙幣は、そうではない。モノ自体の価値は、穴があくほど見ても、無価値です。1万円札の福沢諭吉が、慶応大学を担保に入れ、土地で保証するわけではない。日銀にも保証する資産はない。

紙幣の信用は、他の人もそれを信用するという「信用の連鎖構造」があって初めて、価値をもつ。ジョン・ローの、フランス王立銀行は、約束した金との交換ができず、紙幣を無価値にしました。

■8.現代の銀行制度

現代の、先進国世界の銀行制度は、本質は変わっていないのですが18世紀初頭のジョン・ローの時代(4年間)より、少し複雑でソフィスティケート(高度化)されています。

▼中央銀行

まず、銀行に貸す銀行としての「中央銀行制」です。中央銀行が、独占的に紙幣を発行しています。注意すべきは、社会での信用創造は、
(1)中央銀行だけではなく、(2)銀行全体、(3)金融機関全体、(4)そして株を中心とする有価証券全体で行われることです。住宅証券も信用創造の一翼です。

(注)米国FRB(連邦準備制度:1913年~)の設立過程を調べると、実に、怪しいのですが、確証がないので述べません。それと日銀の株主、公式には財務省が55%とされます。確証はどこにあるのか。

【第一段階】
(1)中央銀行が、最初に国債を買う。例えば日銀の主要資産(約60%)は国債です。金ではない。国債発行額に見合う紙幣を発行する。国家の口座に振り込みます。

中央銀行の、原初的なB/Sは、以下のようになる。

【資産】         【負債】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国債保有額  1兆円   紙幣発行額 1兆円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1兆円(1万円札で1億枚)の紙幣は、日銀から政府口座に渡ります。政府はその紙幣で、予算をまかなう。しかし今は、紙幣の発行は要らない。日銀のコンピュータで、政府の口座に数字を打ち込むだけでいい。マネーはハードディスクの記号です。今は、過去のように紙幣を増やす必要はない。

紙幣が必要になるのは、現金での買い物のときです。あるいはタンス預金のときです。日銀は08年12月20日で、78兆9131億円の紙幣を発行しています。高齢世帯のタンス預金は、30兆円と言われる。(注)わが国の金融資産は、60歳以上の高齢者世帯が1000兆円(三分の二)を持ちます。

他方、国債所有は67兆円で、ほぼ、紙幣発行額に見合っています。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/ac07/ac081220.htm

(注)日銀資産で、昨年来、急に増えているのは「外国為替(28兆円)」です。08年9月10日は、5兆円分でした。日銀は、9.15のリーマン破産以後、米政府とFRBの要請で23兆円分のドル証券を買い、米国に資金供給しています。ドル下落で巨額損をしたら、誰が責任をとるのか。誰も取らないから、困ったこと。これは、国富(国民の富)の供出です。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/ac07/ac080910.htm

国債に見合う紙幣を発行するのは、09年9月以前の米国FRBも同じでした。今、FRBは、金融機関の不良債券を買い取り、資本供給もしたため、無茶なB/Sに陥っています・・・FRBの信用(資産・負債)は、08.9.15以後で、2.6倍に膨らんでいます。もうこれ以上は無理だと、議長バーナンキも言ったのですが、かまってはいられない。

紙幣の元は、政府の負債である国債であるということを、ここで確認します。財布に10万円をもつことは、政府に、10万円を無利子で貸し付けたことと同義です。

その10万円の価値は、負債を抱える政府が保証していることになる。この政府保証を、国民が信じているから、10万円の価値があるように思えるのです。担保となる実物の財貨との関係はない。

預金口座の数字や、年金基金、生命保険、株、証券の数字も同じです。国民が、数字を信用するから、その価値がある。信用の元は、「空(くう)」です。心理的です。

高僧が書くお札(ふだ)にも似ている。他の人が、価値あると信じるから価値がある。日銀には、通貨発行に見合う実物資産はない。

ジョン・ローの王立銀行や、独裁のジンバブエのような、経済規模に比較し無茶な紙幣発行はしない、政府財政は破産しない、取り付けは起こらないという前提で、紙幣の価値がある。

【第二段階:銀行】
銀行は、預金を集めます。その預金を運用(貸し付け、証券買い)し、利益を出す。銀行には、5%程度の準備率が義務づけられています。先に挙げた、4%や8%の自己資本規制がこれです。

銀行は、中央銀行の無利子の「当座預金」に、支払い準備金を預託します。今日銀行には、全銀行から預かった9兆円の当座預金(準備預金)があります。

金融機関はこれを、支払い準備にする。足りなくなると、公定歩合(日本0.3%:米国0.25%:ユーロ2.5%:08年12月)で、国債や手形を担保に、中央銀行が「(事実上)いくらでも」銀行に貸します。だから日銀も、銀行から9兆円を預かるだけでいいのです。

(注)銀行に対し、政府が規制する支払い準備の積み立て比率を、仮に5%とします。これが後で意味を持ちます。元のお金の、20倍の信用創造が、銀行全体で行われるからです。

5兆円の預金という負債をもつA銀行のB/Sは、例えれば以下のようになります。

【資産】     【負債と資本】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
貸付金    3兆円   預金    5兆円 
有価証券   2兆円   自己資本  0.5兆円
その他資産  0.5兆円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

個人や企業から預金を5兆円預かり、その負債を3兆円貸し付け、有価証券(社債・株・国債・住宅証券等)を2兆円買ったという意味。銀行が貸し付けるのは、預金という負債です。

銀行には、預金に見合う紙の証券はありますが、現金はない。現金が足りなくなると、日銀当座から引き出すか、日銀から借ります。あるいは、余分な現金をもつ他の銀行に電話をかけ、コールローンで借りる。

■9.信用が創造されるプロセス

さて・・・ここからです。ここまでは、銀行は、何ら信用創造をしていません。預金額に見あう3兆円の融資と、2兆円の有価証券を買っただけです。資産と負債は、見合っています。

普通の人の銀行への理解は、ここで止まっています。

【合計B/Sで見る】
しかし、ひとつの銀行のB/Sではなく、他の銀行が連鎖した全銀行の合計B/Sを見れば、そうではない。ここに、驚愕の構造がある。マネーは、無から生まれます。その無が、信用です。

▼第3段階:融資や証券買いの結果はどうなるか?

前記のようにA銀行が、3兆円を企業に貸すとします。借りた3兆円を使い企業は投資をする。単純にするため、全部を工場に設備投資したとします。

企業からは、工場を作った建設会社に3兆円が支払われます。その3兆円は、建設会社の賃金、資材購入、利益になる。3兆円は、個人と他の会社をめぐって行きます。個人は賃金を、建設会社は売上を、BやC.銀行に預けます。というより、売上は口座に振り込まれ預金になる。

2兆円の証券の購入も同じです。銀行に証券を売って得た、誰かの現金2兆円は、また、どこかの別の銀行に預金されます。

現金で、会社や個人の金庫に残す分は、今週の支払い分くらいです。個人もカードで買い物するので、現金は要らない。
預金しておけばいい。

つまり・・・〔A銀行が企業に貸した3兆円+有価証券を買った2兆円〕は、B銀行かC銀行、あるいは他の銀行の預金になり、無限連鎖で増えます。(数学的な無限等比級数)

中央銀行は、新たな5兆円を紙幣として印刷し、増やしたわけではない。誰も、増やしていません。しかし、A・B・C・・・の銀行を合計した預金では、A銀行の融資3兆円+有価証券購入2兆円分が増えたことになる。

以上が、銀行システムの連鎖(マネーのチェーン)による5兆円の信用創造の秘密です。

B銀行に、預金が集まったとします。B銀行のB/Sは、以下のように資産と負債が、同額、増えます。

【資産】        【負債】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
現金  5兆円    預金 5兆円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このB銀行も、負債の預金には、金利を払わねばならない。現金のままもっていても、金利はつかない。B銀行は、即座に、5兆円分の有利子負債を返すか、企業への融資、証券購入、国債購入をします。

口座の5兆円を、どこかの企業に融資したとします。企業が借りた5兆円は、前記の無限プロセスを経て、結局、ABC・・・のどこかの銀行の預金になります。

最初のA銀行の融資3兆円、有価証券購入の2兆円が、企業・個人・銀行をめぐりめぐって、5兆円+5兆円+5兆円・・・・というように、無限に、銀行システム全体で、増えます。

これが、銀行の連鎖ネットワークによる、無からの信用創造です。

ゼロ金利策は、信用の無限連鎖を強化するものです。預金への利払いコストがゼロですから、企業や銀行は、低い利回りの投資や証券購入ができるからです。

米国の五大投資銀行(筆頭ゴールドマンサックス)は、低い金利で借り、高い利回りのものに投資していた。そのため、純負債で350兆円(08年末推計:対外総負債2000兆円:対外資産1650兆円)を抱える米国が、逆に、投資利益を出していたのです。

今、金融機関はシグナルであるデジタルマネーが、世界を瞬時に動くことができるネットワークシステムの中にあります。

・世界のほぼ10年間の低金利、
・紙幣が化けたマネーのデジタル化、コンピュータネットが、世界バブルを生んだとも言えます。

【記憶】
20年前、情報システムについて原稿と企画を書き、早朝に、ひとり眠るとき、毎日、サミュエルソンの分厚い『経済学(岩波書店)』を読んだ。10時間書くと、脳が熱く、くしゃくしゃになる感じがあるので、古典を読むのは、清涼剤です。

「進展する金融のコンピュータ化は、今までの金融を根底から変えるはずだ。どういう帰結になるかは、分からない。」とあったのが気がかりで折に触れ考えていました。結果は、過剰な信用創造によるバブルと、その後の信用恐慌でした。今はっきり分かった。

■10.支払い準備率と信用創造

【準備率の秘密】
ここで例えば5%の「支払い準備率」を言う必要があります。5兆円の預金を預かったとき、政府規制で、銀行はその5%(2500億円)を支払い準備として、中央銀行の当座に預けるか、手持ち現金(他の銀行への預金)に残さねばならない。

銀行システム全体の信用創造は、5兆円÷(1-0.95)=100兆円が最大になります。4%なら125兆円です。

5兆円+5兆円×0.95+5兆円×0.95の2乗+5兆円×0.95の3乗+5兆円×0.95の4乗・・・・・=5兆円÷(1-0.95)=100兆円

(注)連鎖の途中で、5%以上を残す銀行が出ます。上記計算は、5%の準備率での最大信用の創造額です。

銀行の連鎖のシステムで、最初のA銀行への預金5兆円が、総額で100兆円の信用を創造するのですから、すごい。

紙幣ではない。預金のデジタル数字です。そしてその預金は、企業や個人への融資と、国債を含む有価証券の購入になる。この銀行システムが、現代社会に、普通の仕組みとして組み込まれています。

【バブルとバブル崩壊が宿痾になった】
以上から、投機とバブル経済を生む過剰な信用創造は、不況期に金利をゼロに向かい下げるので、現代社会の宿痾(しゅくあ)といっていいのです。過剰になった信用で、過剰な投資と消費が行われる。

返せない負債の極点付近で、銀行信用、株信用、不動産のバブルが同時崩壊し、信用恐慌が起こる。

【日銀のゼロ金利と量的緩和が果たしたこと】
世界の銀行システムの連鎖による、無からの信用創造(=マネー創造)の構造を知れば、日銀がゼロ金利を発動した10年前から、ジャパンマネーが、1年で約40兆円主に米国に流出したことの、重い意味も了解できるはずです。

1年40兆円は、5%の支払い準備率ならその20倍、つまり800兆円の、世界の銀行システムでの信用創造、つまり預金を生む。

【3%のスプレッドで動く】
国内をゼロ金利にすれば、マネーは3%以上のスプレッド(利幅)の利を求め、当然、より金利の高い海外に、資本逃避(キャピタルフライト)する。90年代以後の米国は、かつて日本より、ほぼいつも3%は金利が高かった。(注)今FRBはゼロ金利策。米ドルが売られることを意味します。

金利は、貸し付け、証券、株の投資の、利回り率も決めます。

【世界の資産バブル崩壊の遠因は、日銀だった】
2006年4月、日銀はゼロ金利と量的緩和を停止します。31兆円もあった日銀当座預金(金融機関の預託マネー:06年3月20日)を、3ヶ月の超短期で10兆円にまで、20兆円絞ったことが、世界の金融連鎖の中で20兆円×20倍=最大400兆円相当のマネーを抜くことにもつながった。

このため米国の不動産は、06年夏から下落地域が出た。

この策が、翌2007年になると、ファンドのキャリー・トレードの解消(返済)を手始めに、米国と世界の信用収縮を生み、世界の不動産バブルを崩壊させた原因と見ています。

残念ですが、日銀の頭脳には、そこまでの金融の想像力はなかった。(注)キャリートレード:金利の低い通貨で借り、金利の高い通貨の証券を買うこと。

日本の、800兆円の預金を中心にした個人金融資産は、世界の鯨のように、巨額です。それが、規制が緩くなった、世界の金融連鎖のチェーンで更に膨らんだ。

2000年はほぼゼロで、年々大きくなり、$62兆になった保険商品CDS(債務保証保険:07年末)も、金融機関が貸したり、あるいは社債、住宅証券を買うリスク感を減らしていたのです。

普通なら売れない、回収に無理があるサブプライムローンの、信用度がジャンク(くず)でも、回収を保証するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を掛ければ、額面償還と利払いをAIG等が保証するAAA証券に変わるからです。

回収保険を売ったAIG等は、保証料をプレミアムとして受け取り、史上最高の利益を出していた。2008年半ばまで、世界の金融は、金融保険のCDSやCDOを使って、ノンリスク金融とされた。信用バブルは、そのため、一層、膨らんだ。

言い換えれば、金融(=貸し付けと証券購入)につきものの、リスクを回収保険で消したことが人々のリスク感を鈍らせ、ファイナンスが極点まで行ってしまった。これが今回の金融危機を、信用恐慌に至らせた原因です。

あらゆる保険は、リスク率が想定範囲のときだけ成り立つ。計算を誤れば、全体が破綻します。それが、2007年から起こった。

(注)風船(信用=マネー)が膨らみきれば、極点での爆発は大きく悲惨です。日本のゼロ金利での世界の信用膨張を、海を超えた遠因とする破裂、つまり突然の世界恐慌は、必然だったのですが、それが、若干弱いものになったとも言えます。

信用恐慌によるバブル崩壊は、突然、返せない負債の変曲点(=臨界点)を超えたとき襲う。信用恐慌の前週まで、経済は、抜ける青空の、絶頂です。ドバイには、地上1000メートルのビルも企画させた。今、工事停止状態。

今回の恐慌は、以上のように、世界が初めて経験する21世紀の、デジタルマネーと保険料率を計算する金融工学が生んだ乗数金融型の信用恐慌です。姉歯事件の、耐震偽装に似ています。

前FRB議長のグリーンスパンが、本当は当事者責任の回避の目的で言った、「100年に一度」ではない。デジタルマネーやCDSは新しいからです。

90年代には、CDSはなかった。1929年にもなかった。新聞や論者は、枕詞に100年に1度と言う。これは、もうやめたほうがいい。対策を間違えるからです。

■11.銀行は負債額が資産額

ここで、信用創造する銀行のチェーン・システムを、注意深く見れば、最初の5兆円から、100兆円(20倍の信用:マネー)を創造した銀行システムの全体が、銀行の、自分のものではない国民から預かったマネーをもとに、社会の富のほとんどを所有していることにも気がつきます。

銀行は、ぺーパーマネーを貸す代わりに、普通、評価額から20%~30%くらいの欠け目を見た財貨を担保にとるからです。

銀行にとっては負債の預金は、
・銀行システムを媒介に、
・金融機関の資産である貸付金、
・有価証券の所有、株の所有になって、
銀行が所有します。

企業やローンをもつ世帯を生かすも殺すも、銀行や金融機関の思惑によるものになる。

その上、金融機関が損をし、破産状態になれば、米国や日本のように、国家が国債を刷り(事実上無償で)貸し付け、あるいは資本注入し救います。

その金融株主の、世界の頂点が、網の目のようなネットワーク構造をもち、金融機関の最終資本の多くをもつ、(国際金融マフィアである)ロスチャイルド家や、ロックフェラー財閥、あるいは国家とは言いませんが、まぁ、たどればそういった仕組みです。

なんだか・・・社会が壮大なフィクションに思えます。大元は、近代社会が、個人や企業が所有するマネーのほぼ全額を銀行へ預金にしているからです。資本主義は、デジタルマネーとネットワーク型の金融資本よってそこまで行き着いてしまった。

▼消費財デフレと資産インフレの同居

19世紀型の、単純な一国資本主義では、過剰な信用創造(マネーの増加)は、インフレになった。しかし、2000年代は、逆に、消費財〔商品〕のデフレ〔価格下落〕の時代でした。

理由は、中国と旧共産圏(東欧)及びアジアが、資本と技術輸入によって、電子部品を使う高度な商品まで、先進国の10分1以下の低い労務費で作り、低い価格で大量に輸出するからです。

最近、望みの一眼レフ(ニコンD90)を買いました。中級クラスですが、凄い性能。ボディ価格は、8万円。シグマ製のレンズが約4万円。ニコンは、日本光学。日本製かと思っていたのにタイ製でした。国際分業と技術移転が、高度製品の領域まで来たかと、感慨深い。

こうしたことのため、1980年代までのようには、先進国のワーカー賃金が上がらない。賃金が上がらないと、購買力は増えません。

購買力が増えないと消費財のインフレは、なかなか起こらない。米国は違っていました。世帯が1年に100兆円分借金を増やし商品を買ったからです。

代わりに、世界では資産インフレを超えた資産バブルが、起こった。
不動産は、後発国で作り、輸出することはできないからです。

次は、株による信用創造です。金融機関だけが無から信用創造するのではない。株も、将来利益を現在価値に還元するメカニズムで、大きなマネーの元になる信用を、創造します。

■12.株も信用創造

2007年10月の世界の株価時価総額は$63兆とピークでした。
世界のGDPが$60兆ですからそれを超えています。

07年8.19に、欧州で始まったサブプライム・ショック
は、バーナンキが言ったように、数十兆の損としか見られていませんでした。低金利と、前記の金融の連鎖による巨額な信用創造(実質的なマネーの増加)への想像力が、欠落していたからです。

株にも、銀行チェーンのような信用創造のメカニズムが組み込まれています。

▼株の理論価格

株価の理論価格は、
・次年度からの企業予想利益に、
・各年度のリスク率を掛け、
・期待長期金利で割ったものです。
(正確には、ファイナンス論でこうだとされる)

企業の、ほぼ確定した次年度利益(税引き後純益)を10億円と仮定します。翌年の、利益予想のリスク率を10%とします。そうすると、企業の期待純益は以下になる。

10億円+10億円×0.9+10億円×0.9の2乗+10億円×0.9の3乗+10億円×0.9の4乗・・・・=10億円÷(1-0.9)=90億円

これが、期待純益です。そして各年度の期待純益を長期金利(複利)で割る。現在の長期金利が2%、金利の変動リスク率を1%の幅(50%)とします。これを加味することは、各年度の期待純益に、0.97の各年度の累乗を掛けたことと同じです。

10億円+9億円×0.97+8.1億円×0.97の2乗+7.3億円×0.97の3乗+6.6億円×0.97の4乗・・・≒80億円=ファイナンス論の理論価値

80億円の理論価値と見なされる。予想PER(=株価の理論時価総額80億円/次期純益10億円)では、8倍と低い。(注)これが今の理論価格水準でしょうか。

1年前の07年秋の時点では、世界の主要株の実績PERは、15倍(先進国)から60倍(中国等の新興国)でした。理由は、世界経済の5%成長で、次年度より高い企業純益が、共同幻想で期待されていたからです。

1年で20%利益が増えると仮定すれば、以下のようになります。予想のリスクを10%とします。各年度の期待純益は、以下のように、増えます。

10億円+10億円×1.1+10億円×1.1の2乗+10億円×1.1の3乗+10億円×1.1の4乗・・・=純益は無限大

利益の無限大は、どう見ても行き過ぎです。
大ざっぱに、将来15年分だけを、見るとする。
理論株価は、実に、大ざっぱなものです。

これを、将来利益の割引現在価値(NPV: Net  Present Value)とも言う。賭のようなものですが、経済が成長する国では、企業純益はそれ以上に上がることが多いので、説得性はもつ。

10億円+11億円+12億円+13億円+15億円+16億円+18億円+20億円+21億円+24億円+26億円+29億円+31億円+35億円+38億円=319億円です。

これらの期待純益を、各年度の期待長期金利(複利)と金利の変動リスクで割引きます。金利が低いと、次第に無視できる要素になる。
理論株価は、300億円に近づきます。結果はPER30倍です。先進国でも利益の期待成長率が高い企業は、PERは20倍~60倍にもなる。

概略を言えば、「21世紀の世界経済は成長期に入った。特に、高度成長をする新興国の企業利益は大きくなる。BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)はPER20倍でも買いだ。」という論を、投資銀行1位のゴールドマンサックスは出した。

BRICsは、2000年代初頭に、ゴールドマンが証券商品を売るために作った言葉です。

株価の上昇は、その株を担保に、買える株を増やします。つまり、レバレッジでの投資が起こる。ここでも「信用が膨らむ」。つまり社会の、担保として利用できるマネーは増える。

分からないのが本質の未来の利益を分かるかのようにリスク率も加えて確率計算し担保にいれた。理論株価の根拠は、これしかない。

株式市場では、$64兆(5800兆円:07年10月:$1=90円換算)のマネーが作られたと言っていい。今これらは、約40%~50%下げています


株の信用総額は、3000兆円近くが失われています。この損は、世界の不動産の下落損にも、匹敵する。比較すれば、日本のバブル崩壊は小さかった。

2000年代が、金融と株での、過剰な信用創造をベースに、不動産と株価の資産価格を極点まで押し上げていたということを想定すれば、PER30倍は、いかにも変と分かったはずですが、多くの人はそう思っていなかった。

企業利益は史上最高で、世界経済は5%の高度成長、新興国は2桁成長と前提していたからです。

以上、本稿では、2007年までの過剰だった信用創造を解きました。次は、信用崩壊(=信用恐慌)後を、見極めねばなりません。原因を見なければ、正当な対策もない。

【後記:人の宝石】

歌姫と言われるMISIA(ミーシャ)は、ケニアの難民が住むスラムを訪ねた。ノビテワという、13歳の少女に出会う。

病いで働けない父と、弟がいた。母は何年か前、病気に倒れた。病院に行けず亡くなった。一家の収入は、ノビテワが時折の子守でもらう1ドルだけだった。家族は、食べることができない日がある。

父と弟に食べさせるものがないと思うと、不安が襲うと言う。学校に行って勉強し、いい仕事に就きたいという。目が、大きかった。

ミーシャは、将来、何になりたいのかと訊く。
「勉強して、看護師になり、苦しむ人を、助けたい。」

恥ずかしそうに言った。苦しむ人を、助けたい・・・なぜ、こう思うことができるのか。ホームレスすら貴族に見える環境で、最初に、なぜ人を助けると考えることができるのか。現在へ恨みではない。明日への希望だった。難民キャンプに学校はなかった。アフリカとケニアの各地では、凄惨な部族闘争が続いている。

食べるものを稼ぎたい、ではない。
願いは、人を助けたい。この言葉を、心に刻む。
心が、揺さぶられ、共感は感動になった。

見たのは、TVによくある、お涙頂戴の番組だったかもしれない。しかし十分に思えた。ゴッホの複製画が感興を惹起するように、作り物でも伝わるものはある。

1年後、ミーシャは、ノビテワに会いに行く。別の場所に、住んでいた。トタン屋根の、青い波板シートで囲んだ粗末な学校があった。希望の最初の段階は、叶っていた。背が伸び、ミーシャを超えていた。所作と声は、変わらない。ミーシャは、また希望を訊く。

「医者になって、苦しむ人を助けたい。」

学校に行くには、1年10万円がいると言う。ミーシャは、14歳になったノビテワに提案する。皆で協力し、バッグやアクセサリーを作ろう。それを送ってもらい、ミーシャのコンサートで売る。続けられる仕事を作る。

ノビテワの、苦しむ人を助けるという希望が、ミーシャを駆り立てていた。その言葉が、医者の学校に行く手段を、作りつつある。

私は自問した。人は目標をもつことができる。高い目標が、人や企業を作ると断言できる。ノビテワが医者になれるかどうか、わからない。しかし、ノビテワの動機は、人を助けることで、人への貢献だった。

目標が彼女をひっぱるかぎり、ノビテワの将来は、他の仕事であっても、すばらしいものになると予感した。8年後に、医者になり難民キャンプで昼夜働き、ミーシャを駆り立てたように周囲を動かす気品を備えたノビテワがいるかもしれない。いや、きっと、いる。イマジネー
ションがそれを与える。

何もないところで、人は希望をもてる。共感させる希望は、周囲を動かす。そして気品を与える。我欲を超える気品は、人を動かす。

可能性は高い。人は、実現を信じることができる。願えば叶うのではない。願い続ける強さと、強いゆえの持続が、自分を鼓舞し、人にも伝わって将来を決めるのだろう。(前号では、強化学習の方法を述べました)

未来は、ない。物理的には、いつも、現在しかない。
しかし人は未来を予見し、予見の実現を、信じることもできる。

自分は、どんな希望や目標をもてるか。人は、過去と今の環境に規定されている。自分の歴史から、自由ではない。しかし、明日へ向かえば自由だ。サルトルから学んだ。未来への投企(projet:プロジェ)だと言った。

人を、高みへを引っ張るのは、目標に違いない。医者になる目標は、ノビテワにとって高い。難しくも思える。しかし希望だ。万一医者なれなくても、キャンプの困っている人を助ける仕事なら100%できる。医者という資格も、結果にすぎない。

自問しています。あらゆる仕事の原初的な鍵は、人に貢献するという希望だ。自分を奉仕の立場に置く。そうすれば希望の実現も見える。

新年にあたり心に触れたノビテワの言葉を、再び伝えます。

「勉強し、医者になって、苦しむ人を、助けたい。」

ノビテワには、病院に行くお金がなく幼少の子供2人と病の夫を残し、苦しんで死んだ母の映像が刻まれているはずです。

母は、惨絶に死んだだけではない。すばらしいものを遺した。困っているのは家族を支える14歳の自分のはずなのに、人を助けることを、自分のことより先に考えることができる。これ以上の教育は、ない。教育は学校と教科書ではない。それは、知識に過ぎない。コアは、人の生き方でしょう。寺子屋は、先人の、人の役に立つ生き方や、徳を繰り返し暗記させた。

事業や仕事も、顧客という人間への貢献であるはずです。これこそが、仕事の始原になる。収入や利益は、貢献の結果に過ぎない。

利益は目的ではない。貢献することが、事業の目的であるべきもののはずです。貢献なら、誰にとっても、今日からできる。ここに、あらゆることの突破口がある。自分は、これを強く持続し願えるか。

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▼1年前、2007年1月~2月のバックナンバー『マネジメント新論シリーズ(全5回)』

ドラッカーのマネジメント論を、新しい観点から、書き直したものです。筆者の、マネジメント論の根幹が、ここにあります。私自身、折に触れ参照しています。経営は、何をどう行うことか。仕事は何をどう行うことか、わかるはずです。

▼[過去1年分のバックナンバーの全タイトル]
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mid=P0000018

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