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保険版BIS規制登場か  2009.03.13

私が代理店している㈱損害保険ジャパンと日本興亜火災海上保険㈱の合併が発表されました。保有する保険料は2兆円を越し、業界3位になりますが、大きくなることは良いことなのでしょうか?メガバンクの登場など、大型合併が続いていますが、恐竜はどうして滅んだのでしょうか?マンモスはどうして雪の中に閉じ込められたのでしょうか?大きくなると力が増してきますが、小回りが出来なくなります。突然の外部の変化に応じた対応が即座に出来るでしょうか?そんなことを考えていると、以下の配信メールが。原田武夫さんからのメール配信です。

リーマン破綻に続いて発生した、保険会社AIGの破綻の危機を受けて、保険会社にも自己資本比率(BIS規制)の動きが出てきたとの情報です。損保ジャパンは、既にサブプライムローンで500億円の赤字が出ています。当然の動きでしょう。

 

2009,01.01asahi.comの記事 http://www.fukeiki.com/2009/01/sonpo-japan-nihon-koa.html

 業界5位の「日本興亜損害保険」の筆頭株主である米投資ファンド「サウスイースタン・アセット・マネジメント」の存在が気になるところです。損保ジャパンは、生命保険参入の際に、INGと提携で生命保険業務を開始しました。

以下に、原田武夫さんからのメールを転載します・・・・・・・・

米国発の金融メルトダウンが冷めやらぬ中、倒産劇など世界中で派手な動きのある銀行セクターの陰に隠れ、どちらかというと目立たなかった日本の保険セクターで今、衝撃が走っている。世界の保険監督者で構成されている保険監督者国際機構(IAIS)で、国際的な活動を行う保険会社に対しリスク管理を徹底させるため、必要最低限な自己資本比率を決める動きが出始めているとの情報が流され始めたからである。

これは言ってみれば「保険版BIS規制」とでもいうべきものだ。"BIS規制"―――1990年代より日本でも銀行セクターに対して適用され始めた、自己資本比率を巡るこの規制によって、メガバンクをはじめとする邦銀は時に塗炭の苦しみを味わってきた経緯がある。確かに「BIS規制によって日本マーケットが崩落したわけではない」というアカデミズムにおける議論はある。しかし、国際業務を継続するためには自己資本を一定程度保たなければならないのに、安定株主として大量に保有していた持ち合い株が大暴落し始める中、邦銀たちは時に再編統合という「奥の手」までをも駆使しつつ、これら株式を投げうってでも生き残りをはからなければならなかったのである。

時代は下って今現在、金融メルトダウンの中で日本株はかつてないほどの崩落ぶりを見せている。1990年代から2000年代初頭までの間、株価の下落局面の中における自己資本比率の維持という時に矛盾する命題を突きつけられてきた邦銀勢ですら、メガバンク・地銀の別を問わず、対応に苦慮しているのが現実なのである。そのような体験すら経たことのない日本の保険会社たちが突如として降ってわいた感のある「保険版BIS規制」の導入可能性という情報に接し、正に寝耳の水、戦々恐々となっていることは想像に難くないであろう。

それなのになぜこうした議論が始められたのかといえば、大きな理由がある。米系最大の保険会社であるAIGの余りにも放漫な経営のツケが、巨額のCDS(クレディット・デフォルト・スワップ)を巡る問題を筆頭に依然として解決されていないからなのだ。現在、インターネット上で「AIGが更なる公的資金注入を求め、米財務省に提出したペーパーの草案」なる文書がリークされ始めている。それによると、今回の金融メルトダウンで深刻な打撃を受けているのは投資銀行と並んで、保険会社なのであって、状況を打開するために「特別な措置」が講じられない限り、米国の信頼を地に落とす状況が生じるのだという。事実、AIGはこのペーパーが提出されたという今年(2009年)2月26日より後、さらなる公的資金の注入を得ることができた経緯がある。しかし同時に、不気味に響くこの「特別な措置」という単語の向こう側に、IAISという別の場において「保険版BIS規制」という悪夢のシナリオが着々と展開し始めたことには十分留意しておくべきであろう。

自己資本比率を維持するためには、たとえば増資を行うのが手っ取り早い。しかし、現下の暴落した株価では増資したところで引き受け手がマーケットですぐに見つかるとは想像しにくい。だがそれでもなおと言うことになれば、それこそひと思いに同業他社にM&Aを仕掛け、そこで吸収できるマネーを温存しつつも、人材については徹底したリストラを行うといった手段が考えられよう。――――つまり、これから日本の保険セクターは「仁義無きM&A戦国時代」へと突入する可能性が出てきたというわけなのである。

ちなみに保険セクターでこうした激震が走っているのは何も日本だけではない。たとえば欧州においても金融メルトダウン後の「新秩序」を巡る議論の中で、監督機能を欧州中央銀行(ECB)、すなわち"銀行"に委ねるべしという声が高まっている。保険セクターからは異論が聞こえないわけではないが、徐々に押し切られているのが現状だ。つまり、銀行セクターが隣人であるはずの保険セクターを"食べ"始めているといっても過言ではない展開が見られるのである。

自己資本比率を維持しようとすればするほど、より細かな財務戦略、特に株式を始めとする資産運用戦略が日本の保険セクターには必要となってくる。その時、この業界関係者たちはファンドや投資銀行といった米欧系"越境する投資主体"により自らの生殺与奪を握られていることに気付くことであろう。そうである以上、これら"越境する投資主体"が世界中で引き起こしているマネーの織り成す「潮目」を丹念に読み解き、これからの「潮目」を予測分析するという作業に少しずつであっても着手せざるを得ないのである。

日本の保険セクターが、かつての邦銀勢のように断末魔の叫びをあげることになるのか。あるいは二度轍を踏まないという決意の下、「潮目」を心得た社内体制を構築するための徹底した人材開発を行い、そしてそこで育てられた目覚めた人材を活用した企業経営へと舵を切っていくのか。正に今、分水嶺がくっきりと浮かび上がってきている。

・・・・・・転載終わり・・・・・・・

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