◇教育資産など評価快諾
世界文化遺産登録に向け、スクラム--。水戸藩校「弘道館」などの世界文化遺産登録を目指す水戸市の加藤浩一市長が、江戸後期の日本最大級の私塾「咸宜園」跡を抱える日田市の佐藤陽一市長に"共闘"を申し入れたが、佐藤市長は、足利学校(栃木県足利市)や閑谷学校(岡山県備前市)を含む新たな切り口の「近世日本の学問・教育資産群」を評価し、快諾した。だが、文化庁の暫定リスト入りの審査が厳格化するなかで成否はまだまだ不透明だ。
3施設はそれぞれ暫定リスト掲載を狙ったが、昨年9月の文化庁審査で外れた。だが同庁の勧めもあり、4施設の枠組みに転換。先頭に立つ加藤市長は16日に備前市長を訪問。「近代国家形成に大きな役割を果たした咸宜園も運動に加えるべきだ」と提案した。
引き続き日田を訪れた加藤市長は「『学問・教育遺産群』は斬新なジャンル。4者でステップアップしながら登録を目指そう」と熱心に説き、「来年にも4者の連携機関を設けたい」と述べた。
これに対し、佐藤市長は「天領・日田は江戸時代には、九州の政治、経済の中心地だった。そのおひざ元の咸宜園は人材を輩出し、後世に長く伝えたい施設でありがたい話」と提案を受け入れた。
加藤市長はこの後、咸宜園跡にある広瀬淡窓の居宅「秋風庵」を視察。身分・年齢・学歴を問わない「三奪法」、試験で公平に進級する月旦評(成績表)などの独特の教育制度の説明を受け、感心していた。月末には足利市長が水戸を訪れ、意見交換する。【楢原義則】