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人類史上、未経験の事態へ  2011.3.16.

福島原発の事故が、人類未経験の事態へ発展する可能性が高まってきました。福島原発4号炉から炎が確認されたとのことです。(16日5:45頃)非難範囲も30キロに拡大され、現場では、放射能が強くて近づけないようです。

人体への影響はないと言っていますが、確実に放射能の拡散が広範囲で確認されています。

ビジネス知識源からの緊急メールです。

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ビジネス知識源:福島原発リアルタイム状況(6)

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 <3月15日:13時30分:福島原発のリアルタイム状況(6)>

2011年3月15日:緊急番外 東日本地震:有料版無料版共通
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  著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治
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緊急の第6号です。東電職員が避難する事態にまで、放射性物質の拡散が高まりました(15日午前6時)。福島県で、第一原発から30Km圏が、新たな避難対象になっています。

【比較】
チェルブイリの事故の時、ロシア政府が出した距離と同じです。30Kmは、放射線物質の拡散で、深刻な事態です。(注)3月15日:13:30分時点です。事態は、まだ流動的です。

今は、チェルノブイリの爆発事故の放射性物質と放射線の量ほど、ひどくはない。スリーマイルを、放射性物質の外部拡散という点で、超えました。

ただし今回の放射性物質(主はセシウムやヨウ素)が放つ放射線の半減期は短い(指数関数で、急激に減る)。汚染地域が何年も立ち入り禁止になることはない。

最重大な拡散事故が起こっている2号機(定格出力78万kW/時)の核燃料は、100トンと推計されます。今回の、プラント設計が想定していない異常な事態、つまり格納容器破壊の後処理は、数ヶ月は続くはずです(推計)。ただし、核燃料を遮蔽する圧力容器の破壊はまだないので、全部が流出することはない。(注)時間単位で、障害の事態は流動的です。今後、どうなるかによります。

休止中の1機を含む4機の原子炉に、同時に、身体に脅威を与えるレベルの、深刻な事態が起こる展開は、人類は未経験です。(注)大丈夫という公式発表は、時間単位で崩れました。

(注)チェルノブイリには、炉心を囲む「圧力容器」の外を覆い、放射性物資の外気への拡散を防ぐ「格納容器」がなかった。このため圧力容器の爆発が即刻、放射性物質の拡散になっています。チェルノブイリは「旧式」とされ、日本の原発は近代的とされた理由がこの格納容器の存在です。

福島原発2号機は、内部の圧力容器が16cmの鋼鉄で覆われ設計耐圧は80気圧です。その外の格納容器は、3cmの鋼鉄で設計耐圧は4気圧です。二重構造です。

3号機の例ですが、格納容器内の圧力は、1時8気圧(設計値の2倍)を超えていたと言います。格納容器の下部が壊れた2号機でも、同様だったでしょう。

【ベント】
圧力容器内に、冷却要用の海水(これ自身が異常な対策)の注入が思うようにできないのは、高温の崩壊熱のため、圧力容器の内部圧が上がっているからです。このため外の格納容器内に、圧力容器で発生した高圧蒸気を逃がす。

【格納容器の異常高圧が生じる】
そうすると、格納容器内(設計耐圧4気圧)の気圧も、異常に上昇する。この気圧が上がり過ぎると(たぶん8気圧以上)、今度は、鋼鉄の厚さ3cmの格納容器に、亀裂が入るか爆発的に破壊されます。

格納容器が壊れるような深刻なことは、原発ではあり得ないとされてきました。しかし壊れ、放射性物質の外部への流出事故に展開してしまった。

2号機では、15日の朝6時10分に、2号機の格納容器の周辺で、何らかの爆発(詳細は不明)が起こっています。これを原因に、放射性物質の外気への拡散を防ぐ「格納容器(厚さ3cmの鋼鉄)」に、下部で直接つながる「圧力抑制室」のどこかに破損が起こったとされています(破壊の程度と詳細は不明)。

これによって、関係者がもっとも怖れていた、高濃度の放射性物質の流出が起こっています。格納容器は、放射性物質と放射線の、外部への拡散を防ぐ「最後の砦」です。

2号機の燃料棒は、相変わらず2.7m露出し「崩壊熱」を出し続けています。

加えて今度は、(たぶん)核燃料の入れ替え等のための定期点検中で発電を休止していた4号機に、なぜか火災が起こっています。

このため、4号機の「使用済みの核燃料」も問題になっています。まさに「原発PLANTシステム(全体系)の、ドミノ倒しの障害」で
す。

●2号機と3号機の外の観測地点では、400ミリシーベルト/1時間の放射線が観測されています(15日午前6時)。このため東電の職員は、現場対策に当たる少数の作業者を除き、避難しています。

作業者も、現場で15分の対策作業を行えば、専従者の1年間の許容量基準を超えるため交替が必要という。現場の対策作業の困難を意味します。厳重な放射能防護服で、作業せねばならない。

400ミリシーベルト/時は、400,000マイクロ・シーベルト(1ミリ=1000マイクロ)/時です。1時間その場にいれば、400ミリの被曝をし、30分なら200ミリの被曝になるレベルです。

▼放射線による被曝

仮に200ミリシーベルトを浴びれば「全身被曝」の状態です。様々な障害が後に出る。600ミリシーベルトの放射線を「累積」で浴びると、急速な白血球の増加があって、いわゆる白血病になる恐れが強くなります(数値は臨床例です)。

(注)一回当たりの診療で、もっとも多く放射線を使うCTスキャン(全身のPET:断層撮影)で浴びるのが6.9ミリシーベルト。PETは最大でも6ヶ月に1回が限度とされます。当方、昨年12月にPET検査を、初めて受けました。約45分かかった。なお、普通の生活での安全基準は、5マイクロ・シーベルト/時です。

これまで、政府・東電は、パニックを煽らない目的で「***ではあるが、住民の身体には影響を及ぼさないレベル」と言い続けて来ました。(注)日本人は核には過剰反応を示すという前提があたったでしょう。

この論理が、15日午前6時に、「格納容器(または付属物)の破壊」で崩れました。

▼惨事管理の段階

本来の重大な危機発生後の管理(Disaster Managementと言う)では、以下の4段階が必要と考えています。(マニュアルがあるわけではない)

リスク・マネジメントは、危機の発生予想からくる備えです。
危機が起こったあとの惨事管理と、次元が違うものです。

「Disaster Management」
(1)当事者が、最悪の事態を想定し、「最悪の事態とは何か、今後どうなれば、最悪の事態になるか」を情報として示した上に、
(2)現在の置かれた状況を示して、
(3)今どの段階であるかを、正確に伝えることが必要です。
(4)このため、情報提供は定時に行うべきです。情報提供が遅れ
ると、あるいは情報混乱があると、「何か重大なきことを隠している」という、人間に共通の疑心暗鬼の不安が増大し、噂になるからです。

【予見で動くのが人間】
あらゆることで、人がもつ未来への不安は、「分からない」ことから生じるからです。重大な病気の診断での、インフォームド・コンセントも同じです。人間は、「未来への予見」で判断し、行動します。

【まずい対応】
政府と東電は、「最悪の事態」を示さなかった。これは「国民の常識のレベル」を低く見ていたことになります。

これが原因になったものが、「(本当のことは)知らしむべからず」という、他の事例にも過去からある、政府の基本姿勢です。今回の発表を、詳しく見続けて、そう感じました。

東電も、以前から原子力に関しては、この態度でした。未経験の惨事に対する必死の対策は、及び現場担当の、自分の命を顧みない作業は十分にわかります。しかし、単に一生懸命では不足します。

現場は、本当のことへの、対策作業を行っていたはずですから、東電が分からないはずはない。現場は下請けの社員が多かったとは言いますが・・・大手の会社共通に、現場を派遣や下請けにする傾向があります。

TV情報しか見ていない上で、プラントと設備の設計者は、「どうなると、最悪か」を、示していました。残念なことに、原子力発電の欠陥を告発する側でした。当方に寄せられた読者情報によるものです。感謝します。


http://www.ustream.tv/recorded/13293716

外部に対しては、上記の「Disaster Management」を行わねばならない。被害は、国民が受るからです。

日本人は今回の最大の津波のように、街を根こそぎ消す、空襲のような惨事でも、パニック反応は起こしていません。諸外国のマスコミを見ると、記者が感動する調子が感じられます。

大地震と全交通の遮断の後、タクシーを待つ数百メートルの列を作り、秩序正しく、数時間、あるいはそれ以上待つ国民がどこにいますか? しかも、かなり強い余震が襲う中で、です。

【重要な訂正】
送った情報の中で、メルトダウン後の「再臨界反応」が起こる確率については、専門的な読者(2名)の方からの指摘もあったのですが、当方の知識は誤っていました。

「原発の燃料はプルトニウムの濃度が低い。メルトダウン後の再臨界反応は、ごく小規模に起こるわずかな確率があっても、核爆発には(たぶん)至らない。」と訂正し、お詫びします。

             *

炉心熔解(メルト・ダウン)は、今、もっとも内部の圧力容器内(厚さ16cmの鋼鉄:耐圧設計80気圧)で小規模に起こっているようです。

ただし放射性物質の拡散に関しては、原発内で核爆発が起こったかのような事態が、短い期間、想定されます。この結果として、30Km圏の避難指示になっています。

これが、チェルノブイリのように100km圏にまで拡大するかどうか、たぶんないとは思いますが、それは、1機で100トンレベルの核燃料が、今後どうなるかにかかっているでしょう。

福島第一原発は、コンクリートを詰めた大きな「石棺」にされるでしょう。日本の54基の原発も、強い反対運動が起こるはずですから、操業を続けることができるかどうか不明です。

東電の、後で述べる、「惨事管理」での混乱的な対応(広報)のまずさが原因です。(注)現場は、とんでもなく難しい(世界が未経験の)対策作業に、自らの命を賭けています。

日本では、23%が原発の電力です(2010年)。東電が、約25%の計画停電をするのはこのためです。関電は48%、北海道が40%、九州が41%と高い。原油がない国ですから、フランスのような原発の方向があった。

今後、大地震を「想定外」と言えなくなります。地殻の歪みから見た南関東の、直下型の大地震(M7級)の確率は、2007~2036年の間に70%とされているからです。範囲は神奈川・東京・千葉・埼玉東部・茨城南部です。

参考に言えば、日本の1年間の電力使用量は、家庭が2622億KW(26%)、業務が2901億KW(29%)、製造業が4273億KW(43%)、運輸が216億KW(2%)、非製造業が80億KW(0.8%)です。全電力は、10000億KWです。1日に27億KWです。

全部を国民1人に換算すれば1人で1KW/時使っています。100Wの電球で10個分です。電力こそが、水や空気のようにわれわれの、文明(生活と経済のハードウエア)を支えています。電力がないと、家電もコンピュータも通信も鉄道も動かない。生産や物流もできない。

この電力のうち、23%が原発です。今までの資源・エネルギー政策に、今回の事故は、重大な方向転換をもたらします。原発は、いつまで続けることができるのか。

【経済】
ひとりぼっちになった少女が、瓦礫に向かい「おかあぁさーん」と叫ぶ映像を前に言うのは、気分的にはばかられますが、投資家の将来経済への態度を示す日経平均は、5%下げた金曜日の終値(9441円)に対し、3時前の途中経過では1143円(11.9%)下げ、安値は8227円になっています。

日銀は、リーマンショック後の以上に、マネー供給を全開にし、即日の短期資金(オーバーナイト)の増加供給を8兆円としています。
14日が15兆円でしたから、合計で23兆円です。クライシス・パニックの様相です。

今回と、今後の波及的な損害は、阪神・神戸大震災(10兆円とされる)をはるに超えて、広範囲で長期です。電力、生産、交通、そして人の心理に大きく係わるからです。直接損害の数倍になるでしょう。

高校3年の時、自分の不注意から自宅が火災で全焼した経験によれば、数ヶ月後が心理的ショックは大きかった。直後は、たぶん補償心理が働くのでしょうか。



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