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震災関連情報 漁船保険 2011.04.05.

平成23年4月5日
第11-008号(T-1)
全役員様
社団法人 日本損害保険代理業協会
事務局 野元

<震災関連情報>[漁船保険制度]の概要(参考情報)

[要旨] 本日、読売新聞等マスコミ各紙で報道された「漁船保険」に関して、いくつかお問い合わせを頂いているので、その概要を連絡する。基本は、法律に基づき組合が保険を引き受ける国の制度であり、保険金支払いは最終的に国が補完する仕組みとなっている。

1 漁船保険制度とは?
・ 漁船保険は、漁船の海上危険による損害をてん補するための損害保険制度です。不慮の事故や自然災害等による損害(津波による損害も補償されます)、漁船の運航に伴う費用の負担、あるいは賠償責任等の発生によって漁業経営が困難になることを防止し、漁業経営の安定化を図るため、昭和52年に制定された「漁船損害等補償法」に基づいて運営されています。
・ 同法に基づき設立された「漁船保険組合」が保険を引き受け(保険会社の役割)、漁船保険中央会を経由して政府(窓口は水産庁)との間で再保険を交わしています。再保険料率は、純保険料のみとなっており、付加保険料は全額国庫負担となっています。
・ 漁船保険組合には、特定の漁業だけに従事する漁船だけを対象にする「業態組合」と都道府県を区域とする「地域組合」とがあり、各組合は、保険契約の締結、掛金の徴収、保険金の支払いを行っています。
・ 制度の中核となる漁船保険には、「普通保険」と戦争・変乱およびこれに準ずる事故による損害を填補する「特殊保険」の2種類があります。「普通保険」には普通海上事故によって生ずる損害を填補する「普通損害保険」と、普通損害保険と代船建造資金の積立てを兼ねて、満期時に保険金を支払う「満期保険」とがあり、総トン数1千トン未満の漁船を対象としています。(1千トン未満の漁船は任意加入)
・ なお、漁船保険については、加入区毎に1トン以上の指定漁船が全船加入することによって、国からの掛金補助があり、船主個人の掛金負担が軽減される仕組みになっています。
・ また、「船舶の所有者等の責任の制限に関する法律」(船主責任制限法)では、船舶による海難事故の際、被害者が十分な補償を受けられるよう、船主の責任制限金額について、2千トン以下の漁船については、対物100万SDR(1億8千万円)、対物3百万SDR(5憶4千万円)と定められています。
  (*SDRとは「IMF特別引出権」のことで、金・ドルに続く第3の世界貨幣と言われています。レートは毎日変動しますが、上記時点では1SDR=180円となっています。)

2.今回の震災の影響は?
・ 今回の震災では東北地方の多くの漁船が壊滅的な被害を受けたため、漁船保険制度の国の準備金が大幅に不足する見通しです。制度を運営する漁船保険組合の支払い能力を超える部分は、国の準備金で賄う仕組みであり、政府が一般会計から数百億円規模の追加支出を迫られることになる見込みです。
・ 水産庁によると、漁船保険には国内漁船のほとんどが加入しており、津波の被害が大きかった北海道から千葉県までの太平洋沿岸7道県で、加入数合計は5万隻を超える模様ですが、保険金の支払い対象は、壊滅的被害を受けた岩手、宮城両県を中心に2万隻前後に達する見通しとなっています。
・ その結果、保険金の支払額は1千億円規模に達するとの見方が出ています。各保険組合の支払い能力は平均で十数億円、再保険を引き受けている中央機関の準備金は70億円程度の模様であり、これでは全く資力を確保できないため、国が支払いに備えた準備金(一般会計からの支出)で対応する方針のようです。

2.漁船保険制度の保険種類 
名   称 内   容
普通損害保険 沈没、座礁、火災などの事故によって、漁船の船体、機関、設備に生じた損害や漁船を救助するために要した費用などに対して保険金を支払う基本の保険です。
満期保険 漁船の船体の更新を容易にするため、満期時に保険価額相当額を満期保険金として支払う積立保険です。満期前でも普通損害保険と全く同様のてん補を行う保険です。
特殊保険 戦争、変乱、襲撃、捕獲、だ捕等によって漁船に生じた損害をてん補する保険です。
漁船船主責任保険
(漁船PI保険) 漁船の所有者又は使用者が漁船の運航に伴う事故によって生じた費用を負担し、又は自己の賠償責任に基づき賠償することによる損害に対して保険金を支払う保険です。
漁船乗組船主保険 漁船の乗組船主(船主であり同時に乗組員である者)が、漁船上において不慮の事故で死亡もしくは行方不明となった場合、又は後遺障害となった場合に一定額の保険金を支払う保険です。
漁船積荷保険 漁船に生じた事故が原因で、漁船に積載した漁獲物や仕込品に生じた損害に対して保険金を支払う保険です。
転載積荷保険 漁船により漁獲され、漁船以外の船舶で漁場から運搬中の漁獲物又はその製品について、流失、損傷等の事故により生じた損害に対して保険金を支払う保険です。
漁船乗組員給与保険 漁船の乗組員が抑留された場合に、その乗組員の給与支払を保障する保険です。(この保険は「漁船乗組員給与保険法」という法律に基づいて行われています)
PB責任保険 5トン未満のプレジャーボートのための賠償責任保険です。プレジャーボートの運行に伴って生じた漁船その他の船舶又はその積荷等への損害や当該船舶又はその乗組員の捜索又は救助に要した費用などに対して保険金を支払う保険です。
 


 以上

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