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大分合同新聞、日田市長選を振り返って 2011.07.19.

  19日、大分合同新聞の朝刊に、「県内の政治・経済」面に「変わる審判・現職受難の首長選挙」(上)として、先日行なわれた日田市長選記が掲載されている。

 見出しに「社会情勢 風吹かず 市民の目線とズレか」とあり、「信じられない。何でこんな結果に・・・。本当に言葉で言い表せない」と開票結果が出て、現職の佐藤陽一氏は支援者を前に、ぼうぜんとした表情であいさつした。2期目を目指した現職は新人の原田啓介氏に敗戦。出馬表明から投票日まで約3週間しかない草の根選挙に大逆転を許した。

 「現職はまだ1期で相手は出遅れた新人。陣営本部が油断し、序盤から安泰ムードが漂っていた」陣営の男性は敗因を語る。労働組合や各業界約60団体の推薦も得た。「相手に勢いを感じた。組織選挙に限界が来ているのだろう。」

 逆風の要素もあった。クンチョウ酒蔵活用計画の進め方など独断的とされる行政手法への批判や国保税値上げ、認定こども園導入などの施策は反発を招いた。「決定的な失策はないが、敵をつくりすぎた」とある市議が分析する。

 一方、原田氏は社会情勢の変化を的確に据え、"風"を吹かせた。「東日本大震災以降、この国は変わった。」と一貫して主張。国の停滞が予想される中、時代に即した行財政改革や市民参加型政治を訴えた。

IMG_446020110703.jpg
 特に広がったのが女性の支持。「市政の無駄使いへの嫌悪感。家計を預かる女性の批判が集まった」と原田選対石松本部長は語る。

 市民の声として「国保税を上げながら事業に多額の費用をつぎ込む姿勢は目に余った。今回は組織や政党に関係なく、市民の心がつながった。」また、「佐藤氏は目線が高かった。市民と一緒につくりあげる市政ではなかった。」

 最後に、今月行われた日田市長選挙で、当初、有利とみられていた現職候補が敗れ去った。同市長選のように予想しづらいケースが目立ってきている。 (7月19日大分合同新聞朝刊)

 とあるが、昨年からの国保税の大幅値上げに対する怨嗟の声は、被保険者の間に、日に日に高まっていた。当時、マスコミに、どうしてこの国保税の大幅値上げを取り上げないのかと詰め寄ったこともあった。家庭の主婦までが、ケーブルテレビで市議会を視聴し、市長の上から目線の答弁を通して不満を募らせていた。

 また、認定こども園の問題も従来の市の方針を覆すもので、市長の私的な感情に伴う施策の一方的な押しつけは、民間保育園連盟の怒りを買うことになり、自ら関係修復を拒否した。この時、市議会の傍聴席が何度も満員となったが、傍聴した市民からは、市議会議員の質と市長の対応が良く分かった。次回の選挙の参考にしたいと語っていました。

 決定的だったのは、クンチョウ酒蔵活用問題だった。今年の西日本新聞の特集記事で俄かに市民の注目を浴び、市民からの批判を招いた。また、6月5日の酒蔵活用案の市民への説明会は、市長の思惑とはまるで外れたものとなり、逆効果となった。終了後、私の元にも、対立候補を擁立すべきだとの意見が多く寄せられた。

 また、副市長2名の辞任問題も、市長のやり方に問題があったとの事実も徐々に浸透していた。他に、高額の観光ポスター、椿ヶ鼻ハイランドパーク活性化委員や酒蔵検討委員への高額報酬、通常のビジネスではありえない高額経費の博多大丸日田物産展、相模原市の民間企業への日田祇園山鉾披露と日田物産展、隠密的ニューヨークやミラノでの海外物産展、増加する事業委託費の問題、市職員の残業代問題、新築なった三隈と五馬中学校の新品の椅子机を入れ替える無駄遣い、市職員給与5%引下げを0%と元に戻したことなども市民の間に広がった。

 これらの問題に対して、私たち良識ある市議たちは、市議会で取り上げてきたが、多数を占める市長派に苦杯をなめる事態の連続だった。認定こども園問題や酒蔵問題で市議会が全会一致で市長の暴走を止めようとしても、市長は別の手で論点をすり替え議員を切り崩し施策を推し進めた。

 市長と議会の溝が深まったのは、市長就任から半年も経過しない時だった。天領日田ひなまつり健康マラソン大会の150万円の補助金カット問題だった。この時に、佐藤市長の市政に関する基本的な考えが分かり、その溝が埋まることはなかった。

 こうしたことを背景に、市長選への対立候補者が出馬を期待する市民が声が高まるなかでの、満を持しての原田啓介氏の出馬表明であった。

 選挙告示日までの期間は、極めて短時間であったが、乾燥した砂地に雨が浸透する如く、雨を得た草は地中に素早く根を張って行った。 期日前投票の出口調査でも、その兆候は現れていて原田氏が佐藤氏をリードしていた。また、当日の出口調査も同様だった。

 原田氏を支援する勝手連は、選挙中に選挙事務所に顔を出さずにすませたグループもいた。勝手連的市民グループや前市議会議員、市役所OBらが中心となり、ピラミッド型の後援会を組織せず、横並びの合議制で事を進めた。これに現職市議や超党派市議OBや○○や自発的市民参加者らの支援も加わり市民への更なる浸透を図った。

 当然、組織型選挙の経験者が大半を占めるなかトラブルもあったが、そのことが逆に連携を強めることにつながり、最終的に投票率が低いなかで、草の根の広がりが勝利を掴んだ。

 他にも勝利の要因はあるが、ここには、すべてを書く訳には・・・・・・。

 選挙告示日の出陣式に参加した支持者は、佐藤氏が1,200人に対して原田氏は200人だった。この結果からすると、「信じられない」との思いも理解できるが、4年前に現職候補を大差で破った「勝因分析」が全くできてなかったことが、現職の敗因である。

 

開票結果(平成23年7月10日(日) 午後10時12分確定)

※掲示は得票順です

候補者氏名

党派

得票数

備考

原田 啓介 (はらだ けいすけ)

無所属

19,338

当選

佐藤 陽一 (さとう よういち)

無所属

17,643

当日有権者数(人)

投票者総数(人)

投票率(パーセント)

26,818

31,244

58,062

17,062

20,290

37,352

63.62

64.94

64.33

 

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