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ブログ3000本目の記事は「梅の蕾」ラジオ文芸館

今回でブログへの投稿が3000本目になりました。

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土曜日の朝の散歩の楽しみは、
NHKラジオのラジオ文芸館。
今日も最後に涙が溢れました。

2011年7月16日のアンコール放送
... 吉村昭:作「梅の蕾」
岩手県のリアス式海岸の風光明媚な入江が連なる三陸海岸の過疎の村。
村長の悩みは、医師が不在の村営診療所。
以前の医師は、体調不良を理由に余り診療もせずに辞めていき、
その次の医師も赴任早々に体調を壊したと辞めて無医村状態に。
5000人足らずの村は夏の観光と漁業、冬は雪に閉ざされ陸の孤島に。
そんな村に、医師が来てくれる筈も無く、
手を尽くして医師探しを。
そんな時、村の観光課から耳寄り情報。
村の診療所の医師募集について聞いてきた医師がいると。
調べてみると千葉県の有名な癌センターの勤務医であるとのこと。
無理は承知で村の資料などを用意して面会に。
村を見てもらおうとするが、すでにその医師は密かに村を視察していた。
村の人に案内してもらうと後で断ることができないと。
問題は医師の妻、子どもがいてその教育問題がネックだと。
その後、その医師からは何の連絡もなく
雪に閉ざされる冬が来て
やはり無理かと医師との連絡も取らず諦めていた春になる頃、
その医師から電話が
「子どもは新学期の方がいいから4月から赴任したい。
家具を送るので家に入れていて欲しい」と。

待ちに待った医師の家族が、梅の咲く頃タクシーで村にやってきました。
長身の身だしなみの整った紳士と、少しふっくらとした愛らしい妻に利発そうな息子。
直ぐに診療を開始し、的確に医療指示を出す医師の様子が看護師から入り、親切な医師の対応に村人も喜ぶ声が村長の耳にも入ってきます。
村長の気になるのは、医師の家族の妻と子どもの存在。
子どもは、直ぐに村の子ども達と打ち解け、成績も群を抜いて優秀とのこと。
医師の妻の唯一の趣味は、野草の採取。
村のお婆さんから案内されて山に入り、野草を採取しては庭に。
そのうち村の人たちとの交流の輪が広がり、
妻の洗濯の手伝いや料理を作る手伝いに家を訪れるおばあさん達もふえます。
妻の楽しみは、新刊書を取り寄せて読むこと。
そのうちに家に遊びにやって来る村人たちに
本を読み聞かせて読書を進めます。

医師の方も村の患者を大学病院や大きな病院に紹介し、その患者の手術に立ち会うことも。
その医師の妻に持病があることが分かり
3ヶ月に一度、夫が付き添い千葉の病院へ定期検診に。

ある時、医師が一人で帰ってきます。
病状が悪化し千葉の癌センターに入院することに。

東京で全国町村長会の理事会がある度にお見舞いに。
村に来た頃のふっくらとした顔はなく、痩せた顔に。

村長が東京である町村長会の理事会に出張中、
収入役から連絡が入り医師の妻が死亡したと。
葬儀は、千葉の妻の実家で行うと。

村長は、助役に喪服を持ってくるように指示を出し、
ホテルで弔辞を書く紙をもらって筆を取ると
「梅の蕾が」とすぐ冒頭の言葉が頭に浮かびました。

村から喪服を持ってきた収入役と葬儀のある妻の実家に。
挨拶を済ませ外で葬儀の始まるのを待っていると
乗用車と6台のバスがやってきます。
バスのナンバープレートを見ると岩手ナンバーです。

顔見知りの村民がバスから降りてきて
村長と目を交わしながら
医師の妻との最後の別れに家に無言で入っていきます。

葬儀が始まり村長が弔辞を読みに祭壇へ進み
「梅の蕾が」と読み出したところで涙が溢れてきて
あとの声が出ません。
同席していた村人からもむせび泣くが広がって。

葬儀が終わり日が経っても診療所に医師は戻ってきません。
ガンの末期を迎えた妻のために
妻の唯一の趣味である野草採取のためにこの村を選んだのか
などとの思いが頭をよぎります。
20日が過ぎた頃、役場にタクシーが。
医師が降りてきて村長室へ。

出迎えた村長はソファーへ案内し
「この度は、・・・・・」
医師が
「長い間、ご迷惑をかけました」
「妻の骨を菩提寺に収めてきました。
子どものこともあるし私一人では面倒ができないし」
「そうでしょうね」と尊重も相槌を打ちます。
「そうしたら、妻の実家の方が子どもの面倒を見てくれるということになりまして
今度は、単身赴任でお世話になります」

「それでは、診療所を続けて頂けるんですか?」

「はい、友人たちが心配して千葉や東京の病院を紹介してくれましたが
葬儀にあんなに大勢の村の人たちが参列してくれて辞めるわけには
「梅の花が満開になりましたね。診療所まで送って頂けますか?」

「お~い、観光課長!先生が帰ってきてくれたぞ、診療所まで車で送ってくれ」

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人と人との繋がり、絆
この村も津波に襲われました。
今、どうなっているでしょうか?
今朝も梅の香りに包まれての散歩
「梅の蕾」ラジオ文芸館でした。
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