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炭による立ち枯れ予防

参考になりますので紹介します。 

「炭による樹木の立ち枯れ予防」  大森禎子先生が林学会に宛てた提言書より

by 深澤 義則 (ノート) on 2012年11月23日 13:27

松枯れ・なら枯れの根本的原因を中国からの酸性雨とし立ち枯れに至るメカニズムを突き止めた大森先生よりいただいたレポートです。なぜ樹木の立ち枯れが起こるのか、なぜ炭を撒く必要があるのかよく分かると思います。そして害虫を駆除する有機リンの空中散布の効果が一時的であり役に立たないことも分かると思います。かなり長いですがこれは是非ともより多くの人に知っていただきたいことです。

以下 大森先生の提言書より

樹木の立ち枯れは、化石燃料の燃焼で発生する硫酸が風で移動して接触したものに付着し、雨や霧に溶解したものは、付着した場所で水分のみ蒸発して100%近くその場に残り、濃縮と蓄積を繰り返して濃度が高くなり起こる。

硫酸は雨で樹木の根元に落とされ、土壌成分のアルミニウムや鉄等を溶解性金属硫酸塩にする。水に溶解した金属イオンは、樹木に吸収され、木質層のリン酸と化合して、必須成分のリン酸を不活性化して衰退し、マツは松脂が出なくなる。鉄イオンはナラのようにタンニンを含む樹木に吸収されると、タンニン酸鉄となり無害化する。それらの樹木を主食とし、住居とする虫は、安住の場となり大量発生になり、樹木は枯れる。立ち枯れ防止は、酸性土壌を中和し、金属イオンの発生を抑えることである。中和剤には炭が最も安全である。

樹木が成長に必要で吸収したNa,K,Mg,Ca,P等は、樹木を炭化すると、水分や可燃物は蒸発したり燃焼して容積が減少し、その分、濃縮して濃度が高くなり、中和剤になり、残った金属元素は樹木が必要で吸収した成分で、理想的な割合で含まれる栄養剤で樹木の立ち枯れを防止できる。炭は吸湿剤で土壌細菌の住み家となり土壌の活性化に役立つ。

炭を燃料とした場合は、自身が吸収した二酸化炭素なので、化石燃料と異なり、排出しても大気中の二酸化炭素の割合は増加しない。 炭焼きの後に残った灰は、炭素が無い分、濃厚な中和剤であり栄養剤であるから、少量を撒けばよい。炭は燃焼しない限り二酸化炭素に成らないので、間伐材や廃材を炭にすることは他のエネルギーを最も必要としない二酸化炭素削減方法である。炭素1kgは二酸化炭素3,7kgを固定できる。

早速ながら、5年前に、マツ枯れ対策委員としてお名前がありましたので、松枯れは大気汚染であると思いお伺いした折、別紙のご返事を頂いた者です。大気汚染による樹木の立ち枯れのメカニズムについて、木質炭化学会で講演し、その後、投稿を依頼されたその別刷りをお送りします。主にマツを対象に調査した結果です。

近年のナラ枯れは松枯と比較すると短時間に広範囲に大量に起こり、八丈島、佐渡島でも起こっています。発表論文や多くの報道は、マツと同様ナラ枯れは虫とされています。マツやナラは大気汚染物の硫黄酸化物により衰退したところに、相性のよい虫が存在し、虫害による現象が目に付き虫とされております。1967年に虫が産卵する前にマツを衰弱させ、枯死させる原因が有ると小田久五氏は指摘していました(松くい虫(マツ材線虫病)-沿革と最近の研究―1997全国森林病虫獣害防除協会発行p.21)。また、日林誌(2010)92:45-49.には枯死した琉球マツから材線虫の検出がされない論文が発表されました。

今年、8月23,24日、宮城県白石蔵王から国道113号を山形県小国町まで車で走りました。七が宿付近は、松も多くあり、ナラ枯れも1,2本目に付く位でしたが、米沢市近くになるほどナラ枯れは激化し、小国町近くでは白骨化しておりました。日本海から吹き込む大陸のからの汚染大気による衰退の結果、虫の浸入を許し枯れたと考えられます。

10月3-5日は八丈島に行きますと、海にそそり立つ独立峰の八丈富士の西―南西面のスダジイ、シイ、ヤマザクラ等が枯れ、篠ササも真っ白な垣根のように広い範囲で枯れておりました。八丈富士の中腹を1週すると北面や山襞の壁を西側にもつ場所では枯れはありません。八丈富士と三原山の間の平地を吹き抜ける西風は、東海岸の神湊海岸のマツを全滅させていました。

10月23-25日は新潟県佐渡島に行きました。西海岸のマツは白骨化し、その子の7年生のマツは先端枯れをしておりました。ナラも西向きの斜面で標高が高い風の当たる所は全滅で、しかし、西側に山襞の壁の有るところはマツもまだ健全でおります。

立ち枯れは大気汚染の硫黄酸化物による樹木の衰退の結果、病虫害に犯されると考えられます。森林学会も環境学会も投稿論文は返されましたが、微量成分の分析化学を専門とする者として、樹木の生長も化学反応であり、如何に微量の傷害物でも、それ相当量の成長を妨害し、20年も30年も衰退が続いた後、そのまま枯れ、また、病虫害に犯されて立ち枯れを起こしていると考えられます。

大気汚染は越境汚染を起こし、日本では汚染物排出規制が守られ、樹勢が回復してきたところ、大陸の工業の発達で、1998年から年輪幅を再び減少し、立ち枯れました(要旨の写真2)。宮古島のリュウキュウマツの立ち枯れは1997年から激化していることに符合します(日林誌(2010)92,45-49)。日本海沿岸、八丈島、佐渡島の西向き斜面の樹木の衰退、全滅は大陸からの越境汚染と考えられます。二酸化炭素削減条約と同じように、国際的に硫黄酸化物排出削減条約が必要ですが、森林学会が、立ち枯れは病虫害とされている以上は、日本からの議題提出は出来ません。大気汚染の観点からの樹木の立ち枯れの検討をお願いしたいと思います。

追伸

樹木は、太陽と雨と大気と根着いている土壌の関係で成長します。何万年も世代交代して繁栄を続けてきたものが、近年、樹種を問わず立ち枯れが起っています。この原因は、樹木に共通の、病虫害以外の重大な原因があると考えられます。それは、移動可能な大気汚染物と考えられます。大気汚染、酸性雨研究会などの論文は多数あります。汚染物の濃度は非常に低いことで、この濃度の何倍かの濃度で半年暴露実験をしても枯れないから影響が無いとされ、pHが高いから酸性雨の影響が無いとされますが、衰退の原因量は非常に微量で、衰退しても20~30年も生き続け、そのあと虫や病気に犯されます。酸の水素イオンは、共存する物と反応すると水となり、加わった酸の濃度に反比例してpHは下がりません。硫酸イオンはそのまま反応しますから、非海塩塩化物イオンと硫酸イオン濃度を定量してその場に加わった硫酸の濃度を知ることが出来ます(要旨の説明)。今まで検討に使用された非海塩硫酸イオン濃度と実際その場に加わった硫酸の量の差は大きく、それが見落とされています(要旨)。

大気や雨の中の汚染物の濃度が如何に希薄でも、塩酸、硝酸、硫酸は加熱濃縮しても、高温で蒸発乾固しない限り、水分のみ蒸発して酸はその場に止まります。止まることのない大気の移動は中の酸を接触した物に付着させます。樹木は自身から蒸発した水分を、夜、気温が下がると葉や樹表面に結露して濡れます。濡れた表面は効率よく大気中の酸を吸着して、水分のみ蒸発し濃縮と蓄積で濃度が高くなります。濃縮した酸は次の雨で根元の土壌を酸性化します。土壌の酸性化の定点観測は日本中何カ所かでされていると思いますが、条件を同じにするために、樹木から離れた場所の測定値と思います。立ち枯れ原因を知るためには、樹木の生活している条件を知る必要が有ります。汚染物の付着量は、針葉樹と広葉樹のように樹木の形態により異なり、常緑樹と落葉樹でも年間の収集量が違い、土壌の酸性化の速度は違います。20年間も30年間も耐えられるような量です。それは年輪の幅の減少で示されます。旱魃や虫による場合は、均一に何十年も減少するとは思えません。衰退した結果、病虫害に対する抵抗成分の合成が不十分となり、犯されると考えられます。マツは松脂が、ナラはタンニン等の量が減少すると考えます。

雨により土壌に落ちた酸は土壌成分の金属と反応し、水に溶解して樹木に吸収されて樹木の中のリン酸を奪って結合します。アルミニウムや鉄のリン酸塩の溶解度は(10-9、10-10g/100gの水)非常に低く、金属と結合したリン酸は樹木が利用できません。リン酸は植物の生長に、共通の必須成分です。リン酸の不活性化は樹種が異なっても枯れる原因に成ります。だだ、汚染物の収集量の違と樹種固有の許容量の違いで衰退の年代が異なると思います。そこに、相性のよい虫の存在は立ち枯れを早くします。フェゴ島の山は固有の南極ブナのみで覆われ風の当たる斜面、通過道は全滅です。要旨の表3に示すように、全滅した斜面から流れ落ちる雨水の汚染硫酸イオン濃度は湧き水の170倍、次のニュ-ジーランドのサルオガセも原生林より林縁の汚染硫酸イオン濃度は65倍高くなります。ユウカリ、ブナ等が大量に枯れ、何れの場所も風上は海で、大気汚染源は有りません。二酸化炭素と同様に硫黄酸化物も排出規制をしない限り、世界中の樹木は消滅すると思います。

退職後は、自費による研究で十分とは申せませんが事実の証明は確信しております。

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